日立造船と大成建設、シールドマシンの機械式ビット交換工法「THESEUS工法」を開発

・口径に関係なく、マシン内部から 何度でも効率よく安全にビット交換が可能

 日立造船大成建設は2月22日、共同でシールドマシンの口径に関係なく、マシン内部から可動式マンホールとスライド式交換装置を用いて、ビット交換を可能とする機械式ビット交換工法「THESEUS工法」を開発したと発表した。同工法は、ビット交換用の立坑を新たに構築する必要がなくなるため、周辺環境への影響を軽減した施工を実現でき、また、何度でも効率よく安全にビット交換が可能。

 通常、シールドマシン先端部のカッターヘッドに設置された先行ビットは、摩耗が激しく、長距離掘進や硬質地盤、大きな玉石を含む砂礫地盤を掘進する場合には、施工途中でビット交換作業が必要となる。これまでは、地上よりビット交換のための立坑を掘り、カッターヘッドを露出させる方法で交換作業を行っていたが、トンネル路線は幹線道路下に計画されていることが多いため、立坑工事に伴う交通渋滞や騒音の発生などが課題となっていた。また、外径9m超のような大口径シールドマシンでは、先行ビットを取付けているカッタースポーク内に作業空間を設けて、直接、人が出入りして交換することが可能だが、外径3m程度の小口径シールドマシンでは、同様の方法を用いることは技術的に難しく、ビット交換用立坑を設置せざるを得なかった。

 そこで、両社は、あらゆる口径のシールドマシンを対象に立坑を設けることなく、何度でも効率的かつ安全にビット交換ができる「THESEUS工法」を開発し、ビット交換機構の実大モデルを用いた実証実験を行い、その効果を確認した。

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