アイリスオーヤマ、富士小山工場(静岡県小山町)に30億円を追加投資

 アイリスオーヤマ(本社:仙台市青葉区)は2月18日、飲料水を製造する富士小山工場(静岡県小山町)に第2ラインを増設、約30億円の追加投資を行うと発表した。この追加投資により、2021年10月を目途に第2ラインを増設し、現状の生産・供給能力を2倍に強化する。

 アイリスオーヤマは、昨年の飲料水事業への参入決定後も各地で多発する自然災害に迅速に対応するため、生産拠点となる富士小山工場以外に、備蓄を目的とした全国9工場での更なる生産・供給体制を強化する追加投資を検討してきた。今回の投資は、2021年2月13日に発生した福島県沖地震による各地での断水の発生を受けて決定した。

■災害発生時の課題解決を目指して飲料水事業に本格参入

 アイリスオーヤマは、今後想定される首都直下地震、南海トラフ地震といった大規模災害発生の際に、被災各地に生命と衛生環境維持に必要不可欠な飲料水を供給する体制を早期に構築できるよう、富士小山工場(静岡県駿東郡小山町)の一部を改修して、新たに飲料水事業に参入することを昨年1月に発表している。天然水と強炭酸水の本格生産を2月18日付で開始し、富士小山工場(静岡県)から順次出荷する。同製品は、全国のスーパーマーケット、ホームセンター、インターネットサイトを中心に当該製品を販売する。

 国内では、2011年3月11日に発生した東日本大震災や各地で発生する地震や風水害などの自然災害を契機に防災意識が高まっている。特に、災害発生時の断水等により水が入手できないという問題は頻繁に発生しており、宮城県に本社を置くアイリスオーヤマも東日本大震災の際の断水により、ライフライン復旧までの備えと迅速な対応の重要性を認識しているとしている。

 アイリスオーヤマは、飲料水事業の本格稼働を機に自然災害に備える防災食・防災用品のラインアップを更に強化する。具体的には、先日発表した㈱ゆのたに(本社:新潟県魚沼市)のレトルト食品、缶詰の事業買収により、新たに長期保存食品を展開するとともにアイリスオーヤマの「防災セット」に追加する。更に水やお湯を注ぐことでごはんができる「α化米」や防災・備蓄を目的とした「長期保存水」の商品化も検討していく。

 アイリスオーヤマは今後も、自然災害に備えて、国内における生産拠点等の整備を進め、生活必需品の安定的な供給体制を構築することで、一層の社会貢献を目指す。

<富士小山工場 飲料水生産概要>

所在地:静岡県駿東郡小山町桑木221-1

投資額:約30億円

生産能力(1h当り):天然水750ケース、炭酸水650ケース

生産商品:富士山の天然水(500ml、2L)、富士山の強炭酸水(500ml)

生産ライン特長:ペットボトル内製化、全行程自動化による省人化

新規雇用人数:15名

工場設立日:1997年(国内工場6番目)

敷地面積:約23,000㎡(18,307パレットの自動倉庫を保有)

<追加投資概要>

追加投資額:約30億円

追加投資内容:第2ライン増設

生産能力(1h当り):天然水750ケース、炭酸水650ケース

追加雇用人数:10名

稼働予定:2021年10月(予定)

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