DMG 森精機、工作機械のデジタルツインを活用した「デジタルツインテストカット」を開始

 DMG 森精機は2月16日、工作機械のテスト加工をデジタル化する「デジタルツイン テストカット」を 2021 年 2 月より開始したと発表した。

 デジタルツインテストカットは、出荷前の機械精度や動作確認を デジタル化した「デジタル立ち会い」、伊賀グローバルソリューションセンタをデジタル化した「デジタルツイン ショールーム」に続く、DMG 森精機の最先端のデジタルソリューション。

 顧客が工作機械を選定する際に「テストカット」という重要なプロセスがある。これは顧客の加工ワー クを実機で実際に加工して、加工精度や生産性が要求を満たすか確認を行うもの。DMG 森精機では、 世界中で年間約 6,000 件のテストカットを行い、そのノウハウを活かして「どのような治工具が必要か」「加工 精度を実現できるか」「加工時間をより短縮できないか」などを事前に検証して、顧客の設備導入、生産を サポートしている。

 一方でテストカットは、機械の空き状況や、工具、加工素材、治具の手配状況などにより、短期間で実施することが難しい場合がある。そこで、DMG 森精機は新機種開発で蓄積したシミュレーション技術を活用して、仮想的にテストカットを実現するデジタルツインテストカットの技術を確立した。これは、工具、加工素材、 治具だけでなく、工作機械本体の物理特性までもデジタル上で構築し、切削加工そのものを再現するテスト加工技術。顧客からのテストカットの要望に対し、加工工程のシミュレーションだけでなく、加工条件の 最適化までをデジタル上で行うことが可能。

 デジタルツインテストカットでは、加工時の切削力や工具振動などの切削状態や面品位などを、実際の工作 機械で加工した時と同じように確認できる。静的・動的な特性をデジタルで高精度にモデル化するため、実際の加工と比較しても誤差精度はプラスマイナス数パーセント。

 デジタルツインテストカットを活用することで、テストカットに要する所要時間を大幅に短縮でき、依頼から 最短 2 営業日で顧客に結果を回答することが可能となる。また、テストカットをデジタル化することで、使用する工具や素材、クーラントを削減できるだけでなく、消費電力も削減できるため環境にも配慮したソリューション。

 デジタルツインテストカットは、専任の組織を設け、短納期のテストカットの要望に対して2021年2月から 利用を開始しており、2021年は5軸・複合加工機のテストカットを中心とした実施を計画している。

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