市光工業、九州市光工業に総額約12億円を追加投資

 大手自動車部品メーカーの市光工業(本社:神奈川県伊勢原市)は2月12日、100%生産子会社である九州市光工業(大分県中津市)において大型設備投資を進めていることを発表した。

 九州域内では今後も自動車生産の拡大が続くと見込まれる。そこで、新規受注の獲得を睨み、2020 年度 から2021年度にかけて総額約12億円の設備投資を実施し、9月操業開始予定。この投資により最新技術 の射出成形機が導入され、エネルギー消費を削減しながら生産を増やすことが可能になる。また、これ に伴い2021年度に約70名の追加雇用も予定している。(2021年1月現在:従業員数347名)

 なお、九州市光では、2014年と2016年に実施した増設工事により、ヘッドランプ並びにリアコンビネーションランプの生産能力を増強しており、軽自動車から高級車まで幅広いセグメント向けの製品を取り揃え、主に九州から本州西側地域のカーメーカーに製品を納入してきた。同社の売上高(2020年度:91億円)と人員はともに3年前から2倍以上に増加するなど成長を続けており、今回の投資でさらに生産能力が向上することになる。

<九州市光工業とは>

 九州市光工業は「ICHIKOH」グループ国内第4の製造拠点として大分県中津市に1983 年に設立された。国内向け自動車用ヘッドランプやテールランプの製造を担い、堅調に売り上げを伸ばしている。立地する北部九州エリアは、“カーアイランド九州”と呼ばれる国内有数の自動車生産拠点であり、この地の利を活かして九州をはじめとする西日本エリアの自動車メーカーへの納入拡大を図っていく。

<市光工業とは>

 市光工業は、1903年創業以来、自動車用ランプとミラーの純正部品専門メーカーとして、国内主要自動車メーカー及び、海外主要自動車メーカーに製品を納入してきた。

 1932 年には初代ダットサン(日産) ヘランプを装着し、日本初のプロジェクターヘッドランプや世界初の電動格納ミラー、水銀フリーHID ヘッドランプや LED ヘッドランプなど独自の製品開発を主体的に行ってきた。

 2000 年、仏ヴァレオ社と照明機器部門でアライアンス関係を締結し、2017 年に同社子会社となった。

 仏ヴァレオ社とのシナジー効果を追求すべく、LED ヘッドランプモジュール、HD(高解像度) ライティング、LED 信号灯などの電動化や自動運転に対応した新製品の開発や、スケールメリットを活かした共同調達や共同研究開発による費用の削減、積極的な営業活動によるグローバル市場での追加のシェア獲得、顧客基盤の拡大や地理的な相互補完関係などの強化を進めている。

 また、2019年6月から神奈川県厚木市で新工場が稼働開始した。厚木新工場では、競争力向上による将来のビジネス成長を図るべく、リーン生産方式や生産の自動化に加え、生産効率を高めるための業務のデジタル化など、あらゆる最新の生産技術を導入している。

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