芝浦機械が1月29日に発表した2021年3月期第3四半期(2020年4~12月)連結業績によると、受注高は、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより設備投資に慎重な動きが見られたことから647億6千万円(前年同期比13.3%減)、売上高は644億9千3百万円(前年同期比26.7%減)となった。損益については、営業損失は1億2千1百万円(前年同期は営業利益26億1千9百万円)、経常損失は3億8千4百万円(前年同期は経常利益36億8千8百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は8億8千8百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益25億1千1百万円)となった。(数値表記は原文まま)
2020年4~12月期における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が続く中、依然として厳しい状況が続いているものの、経済活動の再開が徐々に進み、回復の兆しが見られた。国内経済も輸出や生産に持ち直しの動きが見られた。しかし、新型コロナウイルス感染再拡大に伴い経済活動を制限する動きが世界各地で再び広がっており、先行き不透明な状況となっている。芝浦機械グループが属する機械業界については、国内外とも設備投資に対して消極的な姿勢が継続しているが、中国や米国など一部の地域では設備投資需要の回復が見られる。
このような経済環境のもとで、芝浦機械グループは中期経営計画である「経営改革プラン」に基づき、高収益企業への変革に向けて、組織再編を中核とした経営改革、成長分野に対応した投資の推進、資本効率(ROE)の向上を目指した財務戦略の実行に取り組んでいる。なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更している。
■セグメント別の概況
<成形機事業>(射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など)
射出成形機においては、販売は北米、中国で増加したものの、国内、東南アジア、インドが減少した。受注は北米、中国、インドなどで設備投資の増加により、足元では顕著な回復が見られる。ダイカストマシンにおいては、国内外で自動車向けが軟調に推移したため、販売と受注が減少した。押出成形機においては、販売は減少したものの、国内の環境に配慮した新素材用シート・フィルム製造装置が増加した。受注は中国の二次電池向けシート・フィルム製造装置及び光学用シート・フィルム製造装置が大幅に増加した。
この結果、成形機事業全体の受注高は478億2千1百万円(前年同期比4.2%減)、売上高は445億6千5百万円(前年同期比23.7%減)、営業利益は9億1百万円(前年同期比8.9%減)となった。
<工作機械事業>(工作機械(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤、精密加工機など)
工作機械においては、国内外で産業機械向けおよび建設機械向けの販売と受注が減少した。なお、足元では国内、北米、中国などで設備投資に回復が見られる。精密加工機においては、販売は中国、台湾の光学系金型向けが減少した。受注は国内外で光学系金型向けが減少した。
この結果、工作機械事業全体の受注高は119億5千8百万円(前年同期比34.6%減)、売上高は143億8千5百万円(前年同期比35.9%減)、営業損失は10億1千万円(前年同期は営業利益3億1千9百万円)となった。
<制御機械事業>(産業用ロボット、電子制御装置など)
制御機械においては、中国の電子デバイス・スマートフォン等の組立自動化設備向けは堅調に推移したが、国内の設備投資先送りなどを受けて、販売と受注が減少した。
この結果、制御機械事業全体の受注高は39億7千万円(前年同期比23.5%減)、売上高は42億3千万円(前年同期比17.9%減)、営業損失は1億2千1百万円(前年同期は営業利益3百万円)となった。
<その他の事業>
その他の事業全体の受注高は10億9百万円(前年同期比24.7%減)、売上高は13億1千1百万円(前年同期比33.2%減)、営業利益は6千3百万円(前年同期は営業損失6億3千7百万円)となった。
なお、2021年3月期見通しについては、2020年5月27日に公表した、売上高920億円(前期比21.2%減)、営業損失14億円、経常損失24億円、親会社株主に帰属する当期純損失26億円を据え置いている。
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