信越化学工業、米国子会社シンテック社の能力を増設、12.5億ドルを投資

・塩ビ事業を更に強化

 信越化学工業は1月27日、米国子会社であるシンテック社(テキサス州ヒューストン)の生産能力をさらに増強することを決定したと発表した。

 シンテック社は2018年7月にルイジアナ州プラケマインで更地での新工場建設を開始。当該工場は今年半ばに完工する予定。この投資を基盤として今回の投資を行う。

 増加する生産能力は塩ビモノマー(VCM)580千トン/年、塩ビ樹脂(PVC)380千トン/年、か性ソーダ390千トン/年。完成時のシンテック社の総能力(公称)は、PVC 3,620千トン/年、VCM 2,950千トン/年、か性ソーダ1,950千トン/年。投資金額は12.5億ドル(約1,300億円、104円換算)を見込む。2023年末の完工を予定し、増強分の稼働はPVCとか性ソーダの国際的な需給を踏まえ柔軟に実施する。

 世界のPVCの需要は、今年の見込みを含む直近10年間で、年平均1,000千トン/年強(中国市場を除いても、年平均200千トン/年強)増えてきた。PVCは、温室効果ガス低減と社会・生活インフラの拡充とを両立するに大いに資する素材として、さらなる需要の増加が見込まれる(注1)。有利な原料事情と規模の経済を活用し、きめ細やかな対応で培った世界の顧客との取引関係をさらに拡充していく。

 環境規制の厳しい米国において、最新の技術で環境適合するとともに、シンテック社は州政府及び地元自治体と良好な関係を築き、地元の強い支持と理解を得ている。そのこともシンテック社がまれに見るPVCとか性ソーダの供給基地になったゆえんとなっている。

(注1)温室効果ガス低減と社会・生活インフラの拡充とを両立するに大いに資する素材(米国The Vinyl Institute,塩ビ工業・環境協会の資料より)

 ニュースリリース

 ニュースリリース(シンテック社の英文)