ファナックが1月27日に発表した2021年3月期第3 四半期連結累計期間(2020年4~12月)における業績によると、売上高は3,752 億29 百万円(前年同期比2.9%減)、経常利益753 億97 百万円(同5.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は553 億44 百万円(同2.1%減)となった。(数値表記は原文まま)
2020年4~12月における経営環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、世界的に設備投資の減少傾向が続くなど、厳しい市場環境となった。しかし、中国がいち早く回復したほか、その他地域も第2四半期頃から緩やかに回復してきた。ファナックグループは、新型コロナウイルスの感染拡大防止を最優先としつつ、顧客への商品の供給とサービス活動の継続に努める一方、市場環境の変化に対処すべく、経費削減、業務の効率化など企業体質の強化を図った。
■部門別の事業概況
FA部門:CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、中国ではいち早く回復し好調に推移した。インドでも、農機、二輪車関係を中心に需要が回復している。これまで需要が低調に推移していた国内や欧州、韓国、台湾でも、中国市場向けの機械の輸出需要が少しずつ増えてきている。レーザについては、需要が世界的に低調に推移し、海外メーカとの厳しい競争も継続している。これらの結果、FA部門の売上高は1,050 億64 百万円(前年同期比4.0%減)となった。
ロボット部門:中国ではIT 関連の他、EV、建機、重機、その他の機械加工向けも加わり、売上が好調に推移した。米州でも、一般産業向けが堅調で、自動車産業向けもEV 関連の需要を取り込み、売上が前年同期並みまで回復した。欧州では、一般産業向けは堅調でしたが、自動車産業向けが設備投資の谷間となり、前年同期に比べて売上は減少した。国内では売上が低調に推移した。これらの結果、ロボット部門の売上高は1,434 億10 百万円(前年同期比6.0%減)となった。
ロボマシン部門:ロボドリル(小型切削加工機)において、中国におけるパソコン、タブレット市場向けの需要が増加したため、売上が増加した。ロボショット(電動射出成形機)については、売上は前年同期に比べて減少したが、医療市場向けを中心に拡販に努めました。ロボカット(ワイヤカット放電加工機)については、市場の低迷に伴い売上が減少した。これらの結果、ロボマシン部門の売上高は709 億6 百万円(前年同期比22.3%増)となった。
サービス部門:第1 四半期における世界各地でのロックダウンなどによる影響を受け、顧客の工場の稼働停止や工場の稼働率低下等により、ファナックサービスへの依頼が減少したものの、その後ファナックサービスへの依頼は回復傾向にある。これらの結果、サービス部門の売上高は558 億49 百万円(前年同期比16.1%減)となった。
■2021年3月期の連結業績予想
FA、ロボット、ロボマシンの各分野において、IT、EV関連など様々な分野で旺盛な需要が見込まれることから、2020年度(2021年3月期)の連結業績予想を下記のとおりとした。ただし、予想は、今後の新型コロナウイルス感染症の拡大の程度や収束の時期などにより大きく変動する可能性がある。
2021年3月期連結業績予想は、売上高5,320億円(前期比4.7%増、前回予想5,025億円)、営業利益1,058億円(同19.8%増、同854億円)、経常利益1,195億円(同16.2%増、)同963億円)、親会社株主に帰属する当期純利益882億円(同20.2%増、同718億円)。
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