コマツ、2021年 中小型クラス油圧ショベル電動化共同実証実験開始

・米国プロテラ社との協業を発表

 コマツは1月26日、中小型クラスの油圧ショベルの電動化(バッテリー駆動式建設機械)の実現に向け、米国のプロテラ社よりリチウムイオンバッテリーシステムの供給を受ける協業契約を締結したと発表した。21年より実証実験(PoC)を進め、コマツは23年~24年の量産化を目指す。

 プロテラ社は、商用車の電動化技術のリーディングカンパニーであり、世界の各分野の高負荷や商用の車両向けにバッテリーシステムと電動化技術を提供している。

 コマツは、2020年4月に市場導入を開始したバッテリー駆動式ミニショベルPC30E-5に続いて、中小型の油圧ショベルでの実証実験を進めるため、電気輸送車両メーカーとして同社が培った高い技術力により開発された高性能バッテリーと周辺機器の提供を受けるとともに、共同実証実験の戦略的パートナーの1社として協業を開始する。コマツとプロテラ社は実証実験を通じて、より高い出力を必要とする中小型クラスの油圧ショベルに最適なバッテリーシステムの開発を進めていく。また高いエネルギー密度が特徴の同社のリチウムイオンバッテリーは、様々な車両に適合する柔軟なバッテリープラットフォームによりカスタマイズ可能な設計が採用されており、コマツが自社開発するキーコンポ―ネントと組み合わせて車体内にバッテリーを最適に配置することが可能であり、車体開発のすり合わせ技術などコマツ独自の技術力との融合による効果も期待できる。

 コマツは2008年に建設機械で世界初となるハイブリッド油圧ショベルを市場導入、2020年4月にはバッテリー駆動式ミニショベル「PC30E-5」をレンタル機として国内市場へ導入するなど、業界に先駆けて環境負荷低減に資する商品の開発を行ってきた。

 2022年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value - FORWARD Together for Sustainable Growth」においては、収益向上とESGの課題解決の好循環による持続的成長を目指すとともに、ESGの経営目標として、2030年までにCO2排出を50%削減(2010年比)することを掲げ、気候変動に対応した環境負荷低減や安全に配慮した高品質・高能率な商品・サービス・ソリューションの提供に取り組んでいる。

 世界的な気候変動への意識の高まりが加速する中、コマツは、これまで培ってきたハイブリッド建設機械やバッテリー駆動式ミニショベルの技術も活かし、また今後は様々な戦略的パートナーとも協業を進めながら、エンジン駆動式と同等の掘削性能を発揮しつつ、“排気ガスゼロ”や騒音の大幅低減を実現するバッテリー駆動式建設機械の開発を進めていく。

 コマツは今後も「品質と信頼性」を追求し、企業価値の最大化を図るとともに、ダントツバリュー(顧客価値創造を通じたESG課題の解決と収益向上)により、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現を目指していく。

<プロテラ社の概要>

社名:Proterra Inc

設立:2004年1月

所在地:米国 カリフォルニア州

代表者:会長(兼)CEO Jack Allen

事業内容:商用車の電動化技術のリーディングカンパニー。同社のバッテリー*は、北米の500台を超える電気輸送車両への搭載と1,600万マイル以上の走行が実証されている。

*コマツへの提供と同等クラスのバッテリーシステムによる。

 画像:電動油圧ショベルのコンセプトイメージ

 ニュースリリース

 *電動の建設機械、ショベルについては、「電気」また「電動」の2通りで検索。