・処理能力530トン/日の一般廃棄物焼却施設を長寿命化
・2007年3月に完成したストーカ式焼却炉を長寿命・省エネ化、2026年2月に完工予定
・CO2排出量を年間約10%以上削減し、地球温暖化抑制に貢献
三菱重工グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC、本社:横浜市西区)は1月25日、鹿児島市から一般廃棄物焼却施設「北部清掃工場」(鹿児島市犬迫町11900番地)のプラント設備更新工事を受注したと発表した。処理能力530トン/日のストーカ式焼却炉(注1)設備を改修し、長寿命化および省エネルギー化をはかる。受注額は67.5億円(税抜)で、完成は2026年2月(6ヵ年継続事業)を予定している。
今回受注した長寿命化に伴うプラント設備更新工事では、経年劣化した受入れ供給設備・燃焼設備・燃焼ガス冷却設備・排ガス処理設備・余熱利用設備・通風設備・灰出し設備・給水設備・電気計装設備といった主要機器を基幹更新するとともに、各種電動機に高効率モーターやインバータを採用することで省エネ化をはかる。また、MHIECの固有技術である脱硝設備の低温触媒導入による熱回収率の向上や低空気比燃焼システムにより燃焼改善・ボイラ効率向上をはかり、さらに蒸気タービンの出力を8,700kWから10,005kWまで高めることで、CO2排出量を年間約10%以上削減し、地球温暖化抑制に貢献する。
三菱重工の設計施工により2007年3月に完成した同施設は、処理能力265トン/日のストーカ炉2基および関連設備で構成され、8,700kwの発電能力を備えている。一般廃棄物焼却施設を長寿命化するとともに温暖化対策も施す改良工事は増加傾向にあり、国が2010年度に関連する交付金制度(注2)を創設したことで、さらに活発化している。
MHIECは、三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富な廃棄物処理施設の建設・運営ノウハウを、2008年に継承。多数の実績に基づく建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとしている。
MHIECは、今回の受注とこれまでの実績をベースに、既存廃棄物処理施設の省エネ化や安定稼働の維持・向上、さらに維持管理費などを含めたL.C.C.(ライフサイクルコスト)低減に向けた提案を積極的に推進し、受注拡大をはかっていく。
(注1) 耐熱金属の角材を並べた床の上で、廃棄物などの焼却対象物を突き上げることで移動させながら燃焼させる焼却炉で、一般廃棄物焼却炉の主流。
(注2)環境省が所管する廃棄物処理施設の有効利用と廃棄物分野の温暖化抑制に向けた設備の改良事業に基づき、一般廃棄物処理施設の長寿命化と温暖化対策を推進する市町村に対して、二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金(先進的設備導入推進事業)もしくは循環型社会形成推進交付金として事業費の1/2もしくは1/3が交付される。
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