●年頭所感、住友建機株式会社 代表取締役社長 数見 保暢

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年は新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、世界経済に大きな打撃を与えた年となりました。国内では政府による緊急事態宣言が発出され、建設工事も一時停止となりましたが、緊急事態宣言解除後は各種工事も再開され、建機需要は大きな影響を受けずに済みました。又、いち早く新型コロナウイルス感染症を抑え込んだ中国においては、油圧ショベルの需要は過去最高となる見通しです。現地では中国メーカーの台頭が著しく、外資メーカーのシェアが縮小、更にアセアン市場でも中国メーカーが台頭するなど、今後中国メーカーとどう競争していくのかが大きな課題です。

 一方、欧米及びアセアン市場の建機需要は回復基調ではありますが、感染の再拡大の可能性もあり緩やかな回復になると考えています。このように、2020年度は大変厳しい市況と見込まれますが、一部の市場では回復の兆しも見え、2021年度には機種による違いはあるものの、全体的には明るさが戻ると想定されます。

 新型コロナウイルスの抑え込みに注力する一方で、世界からは脱炭素社会の実現への要請が益々強まっています。このような社会の実現に向けて、まずは環境負荷の低い建設機械や安全性の高い製品を開発しなければなりません。他にも情報化施工普及の推進や増え続ける自然災害への対応など、弊社はお客様が必要とする製品や整備というご要望にしっかり対応し、引き続き社会基盤の整備に貢献して参りたいと思います。

 弊社は2021年度から新中期経営計画をスタートさせます。安定収益基盤の確立を基本コンセプトに据え、新技術開発、品質、生産効率、安全、コンプライスなど多くの課題に取り組みます。

 最後になりますが、新型コロナウイルスの感染症が早期に収束し、安心して生活できる社会を回復すること、そして皆様にとって良い一年となりますように祈念いたしまして年頭のご挨拶とさせて頂きます。

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