国際協力銀行(JBIC)、ベトナムのブンアン2石炭火力発電事業にプロジェクトファイナンス

・成長投資ファシリティにより、電源開発プロジェクトを支援

 国際協力銀行(JBIC)は12月29日、三菱商事等が出資するベトナム法人Vung Ang II Thermal Power Limited Liability Company(以下、VAPCO)との間で、同国ブンアン2石炭火力発電事業を対象として、融資金額約636百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンスによる貸付契約を締結したと発表した。融資は、「成長投資ファシリティ」を活用し、民間金融機関及び韓国輸出入銀行との協調融資により実施するものであり、協調融資総額は約1,767百万米ドル。

 プロジェクトは、VAPCOがベトナム中部ハティン省ブンアン地区において、発電容量1,200MW(600MW×2基)の超々臨界圧石炭火力発電所を建設・所有・操業し、25年間に亘りベトナム国営電力公社(Vietnam Electricity:EVN)に対して売電するもの。

 プロジェクトは、2017年6月6日及び2018年5月31日にそれぞれ発出された日越首脳共同声明においても、両国のエネルギー分野における協力強化のための具体的施策の一つとして位置付けられた。また、日本政府は、2020年7月に改訂した「インフラシステム輸出戦略」において、インフラの設計・建設・運営・管理を含むシステムの受注や現地での事業投資の拡大の推進を表明している。

 ベトナム政府は、電力供給能力の拡充を国家の優先課題と位置付け、電源開発を迅速に進めるべく、2011年に策定した「第7次電源開発計画」を2016年に改訂しました。同プロジェクトは同計画に規定され、2020年代以降のベースロード電源として電力の安定供給を通じ、ベトナムの経済発展にも貢献することが期待されるもの。また、JBICは、これまでベトナムにおける脱炭素化に向けたエネルギー政策転換への取り組みを行ってきており、かかるエンゲージメント強化も踏まえ、同プロジェクトを支援していく。

 JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、日本企業による海外インフラ事業展開を金融面から支援していく。

 ニュースリリース