三菱重工環境・化学エンジニアリング、茨城県神栖市の廃棄物処理施設を約136億円で受注

・茨城県神栖市に処理能力計230トン/日の可燃廃棄物処理施設を新設

・MHIEC単独でEPC取りまとめ、2023年度末の完成を目指す

・処理能力115トン/日の焼却炉2基、発電効率16.5%以上の設備を備えるエネルギー回収型廃棄物処理施設

・ノウハウ生かし、敷地を有効活用したコンパクトな設備配置などを実現

 三菱重工グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC、本社:横浜市西区)は12月2日、茨城県の鹿島地方事務組合(構成自治体:鹿嶋市・神栖市、管理者・神栖市長:石田 進氏)が神栖市に建設を予定する可燃廃棄物処理施設の設計・建設工事を受注し、このほど正式に契約を締結したと発表した。工事は既存2施設の老朽化に伴う統廃合により実施されるもので、公募型プロポーザル方式による審査を経て、MHIECが単独でEPC(設計・調達・建設)の取りまとめを行うことが決まった。受注額は135億8,800万円(税抜)で、2024年3月末の完成を目指す。

 新施設(神栖市東和田21-3)は、処理能力115トン/日のストーカ式焼却炉(注1) 2基からなり、可燃廃棄物の焼却熱を利用した発電効率16.5%以上の設備を備えるエネルギー回収型廃棄物処理施設となる。建設予定地が周囲に多くの企業がある工業専用地域内であることを考慮し、MHIECがこれまで培ったノウハウを生かして狭小な敷地を立体的に有効活用したコンパクトな設備配置とした上、騒音や振動、粉じんなどの抑制・防止に配慮したことについて評価された。

 同組合は、前身である「公設鹿島地方卸売市場組合」に、廃棄物固形燃料化施設に関する事務が加わるかたちで1999年に発足。現在は、鹿嶋市と神栖市について、廃棄物固形燃料化施設の設置・運営や、可燃性一般廃棄物処理施設の建設ならびに消防に関する事務などを行っている。今回の新施設整備により、これまで2市にそれぞれ設置されていた廃棄物固形燃料化施設に代わり、可燃廃棄物を一元的に焼却処理してエネルギー回収を行うことが可能となる。

 MHIECは、三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富な廃棄物処理施設の建設・運営ノウハウを2008年に継承。多数の実績に基づく建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとし、施設の新設だけでなくアフターサービスやDBO(注2)方式等のニーズにも対応している。近年では基幹的設備改良工事の受注も増加傾向にある。

 今後も、豊富な実績をベースに廃棄物処理施設の新設はもちろん、既存施設の省エネ化やAIやIoTを活用した遠隔監視・自動運転支援による焼却炉の高度化、L.C.C.(ライフサイクルコスト)低減に向けた提案を積極的に推進し、国内外での受注拡大をはかっていく。

(注1)耐熱金属の角材を並べた床の上で、廃棄物などの焼却対象物を突き上げることで移動させながら燃焼させる焼却炉で、一般廃棄物焼却炉の主流。

(注2)Design Build Operateの略。施設は自治体などの公共機関が資金を出して所有し、民間業者にその設計から運営までを委託する方式。

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