豊田通商、エジプト向け配電システム高度化事業を約100億円で受注

・電力供給の安定化を通じて同国の発展に貢献

 豊田通商は12月1日、エジプトの電機大手Elsewedy Electric S.A.E.と共同で、エジプト電力・再生可能エネルギー省傘下のエジプト電力持株会社(Egyptian Electricity Holding Company)および北カイロ配電公社(North Cairo Electricity Distribution Company)より、配電システムの高度化事業を受注したと発表した。受注額は約100億円で、日本政府が国際協力機構(JICA)を通じて実施する有償資金協力によって資金供与される。2023年半ばに本システムの稼働を予定している。

1.エジプトの電力事情

 エジプトでは、近年の経済成長に伴い増加する電力需要を賄うため、この4年で発電設備容量を35GWから58GWへ増強している。一方で、旺盛な電力需要に対して、安定的に電力供給を行うための送配電設備の増強が急務であり、配電システムの更新・高度化によるエネルギーの効率化が求められている。

2.事業内容

 事業は、北カイロ配電公社が管轄する地域において配電システムの整備を行う。主要設備として日立ABBパワーグリッド社製の高度配電管理システムを導入するほか、老朽化した既設の配電設備の更新、および約50万台の電力量計をスマートメーター化する。これにより遠隔での制御・監視が可能となり、大規模停電の軽減と盗電を含む配電ロスの削減効果が期待され、電力供給の安定化と効率化に寄与する。

 豊田通商は、エジプトを重要市場のひとつと位置づけ、今後もエジプトのインフラ整備に積極的に取り組み、同国の経済発展に貢献していく。

<参考>豊田通商のエジプトでの取り組み

 豊田通商は、合併前の旧トーメンが1922年にエジプトからの綿花輸入を開始して以来、100年近くにわたり、様々なビジネスを展開してきた。特に、電力分野においては、1983年に発電所機材納入事業を受注して以来、日本企業としては最大の2800億円を超える電力事業に携わってきた。近年では、同国の再生可能エネルギーシフトに応えるべく、262.5MWの風力発電所の商業運転を2019年10月に開始した。

<事業概要>

契約先:エジプト電力持株会社および北カイロ配電公社

契約概要:カイロ首都圏北部における配電高度化システム構築請負

 ・スマートメーターの調達・据え付け工事

 ・配電管理システム、配電設備の納入・据え付け工事

 ・オペレーションおよびメンテナンスサポート

稼働開始:2023年半ば(予定)

 ニュースリリース