㈱三井E&Sマシナリーは11月30日、三井パセコトランステーナ®(ヤード用トランスファークレーン)の新モデルを開発したと発表した。荷役作業効率化を促進し、メンテナンス性を向上させると共に、遠隔・自動運転化への対応を見据えた機能構成として設計している。
コンテナを巻き上げるためのクラブトロリ(リリース参照)の各装置の設計を刷新し、巻上速度を従来標準モデル23m/分に対し30m/分に向上した(定格荷重吊り時)。横行運転時の加減速などによるスプレッダ(吊具 リリース参照)の揺れ止めは、新たに開発した同社独自のワイヤーロープ掛け構造「Svass™」を採用。Svass™はV字形状に傾斜したワイヤーロープによってスプレッダの振れを抑制する機構で、機械式振止装置を装備しておらず振止装置のメンテナンスが不要。また新機能として、走行水平方向にスプレッダを移動させるシフト操作が可能で、従来はタイヤを動かすことにより調整していたスプレッダの細かな位置合わせを更に容易に行うことができる。
新設計の走行駆動装置は、モータが中間軸を介して、減速機を内蔵する車輪軸に連結されタイヤを駆動する。チェーン及びスプロケットが廃止され、チェーンの張り調整や交換作業が不要になる。タイヤを支持するフレームを門形状から逆L字形状に変更し、車輪軸の一端が開放されタイヤホイールと車輪軸はボルト接合されるため、タイヤホイールの着脱作業が容易になる。また、タイヤホイールは従来標準モデルでは従動用・駆動用で個別部品だったが、新モデルでは同一品を使用できるため予備品の共通化に寄与する。
近年ニーズが高まっている遠隔・自動運転において、荷役作業効率を向上させるにはトランステーナ®の走行停止位置制御、スプレッダの位置調整制御が極めて重要。新モデルでは走行駆動装置のチェーンを廃止することにより、チェーンの弛みなどから発生する遊びが低減され、走行停止位置合わせの所要時間が短縮される。また、スプレッダ位置調整についてはSvass™の揺れ止め効果、及びシフト操作などの位置調整機能が有効。導入時は手動運転トランステーナ®として使用し、レトロフィットにて自動化を適応する場合においても新モデルが最適としている。
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