プランテックス、クボタから資金調達し、大規模マザー工場を建設

 植物工場スタートアップの㈱プランテックス(本社:千葉県柏市)は11月30日、㈱クボタを引受先とした第三者割り当て増資による資金調達を実施したと発表した。調達した資金は、プランテックスの事業の旗艦となる新方式植物工場(マザー工場:画像はイメージ)を建設・運営するための資金として活用する。マザー工場の建設・運営を通じて、プランテックスの植物生産システムが、効率的かつ安定的であることを実証する。また、クボタとの連携を強めることで、植物工場の企画・建設事業を国内外で推進していく。

 植物工場は、「省スペース・省資源で農村・都市を問わず、異常気象等の外部環境に左右されることなく、食と健康と安全・安心を提供できる」能力を持ち、食糧不足や環境問題など人類が抱える諸課題の解決に貢献する可能性を持っている。一方で、実用化して間もない植物工場の生産技術は発展途上。プランテックスは、高度なスキルを持つエンジニアリング企業として、植物工場の可能性を引き出した植物栽培装置と植物成長管理システムを開発するとともに、植物生産事業および研究開発事業の両面で利用されるプラットフォームを、様々な産業界へ提供する。

 プランテックスが独自に開発した栽培装置は、栽培棚ごとに独立した密閉方式で、装置内部に空調や養液循環システムを組み込んでいる。そのためこの栽培装置は、各棚の栽培環境を高精度に制御することができる。プランテックスでは、用途別に植物工場向けの大型栽培装置、研究開発向けの小型栽培装置の2種類を提供する。まず、大型栽培装置を用いることで、一般的な人工光型植物工場に比べ、生産の安定性と面積あたりの生産性を同時に高めることができる。また、栽培装置を複数台並べることで、同一工場内で複数の栽培環境を設定できるため、一般的な人工光型植物工場では難しかった多品種栽培に対応できる。

 プランテックスでは、2019年より東京都中央区京橋に密閉方式の大型栽培装置を設置し、葉物野菜を生産している。その野菜は、東京都内の大手スーパーマーケットで販売され、顧客から高い評価を得ている。今回調達した資金を活用してマザー工場を建設・運営し、野菜の生産量を拡大する。

 また、プランテックスでは、小型栽培装置を多数設置した植物栽培研究所(仮称)の設立を予定している。大学、企業、研究機関と連携し、栽培品種の多様化、機能性野菜や薬用植物などの高付加価値植物の栽培に関する研究開発を加速していく。

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