テルモ、約150億円投じて山口で薬剤充填済み注射器の生産設備を増設

・開発製造受託(CDMO)の生産能力を拡充

 テルモ(本社:東京都渋谷区)は11月26日、100%子会社のテルモ山口D&D(山口市)の本社工場に、薬剤充填済み注射器の生産設備を増設すると発表した。周辺設備を含む総投資額は150億円で、2021年8月着工、2023年12月稼働の予定。これにより、テルモ山口D&Dの生産能力は、2016年の工場稼働時と比べて3.5倍になる。

 テルモ山口D&Dでは、協和キリン富士フイルムバイオロジクスのバイオシミラー*1で、関節リウマチなどの自己免疫疾患の治療に用いられる「Hulio®」*2や、旭化成ファーマの骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注28.2µgオートインジェクター」などの医薬品と医療機器を組み合わせたコンビネーション製品を生産している。

 テルモは、ホスピタルカンパニーのアライアンス事業として、高度な製造技術を活用したコンビネーション製品の開発製造受託(CDMO)や、薬剤に適した素材技術を組み合わせた投与デバイス*3のビジネスを展開している。同事業の2020年3月期の売上収益は前期比16%増の236億円で、今後もホスピタルカンパニーの成長ドライバーとして事業拡大を見込んでいる。

*1 バイオシミラー(バイオ後続品)とは、既に承認されたバイオ医薬品と同等・同質の品質、安全性および有効性が認められた製品。バイオ医薬品の有効成分は分子量が大きく構造が複雑なため、バイオシミラーの開発においては同等性・同質性を示すために新薬と同様に多くの試験が行われる。

*2 日本での製品名は「アダリムマブBS皮下注『FKB』」

*3 薬剤充填用注射器や同梱用針

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