三菱製紙、約5億円投じてメルトブロー不織布およびマスクの⽣産設備を新設

 三菱製紙は11月24日、⾼捕集効率のマスクに⽋かせないメルトブロー不織布※およびマスクの⽣産設備を新設すると発表した。メルトブロー不織布の⽣産能⼒はマスク換算で約2 億枚/年相当となり、営業運転開始は2021 年6 ⽉の予定。同事業は経済産業省の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助⾦」に採択された。マスク⽣産はメルトブロー不織布に先がけて、2021 年1 ⽉に営業運転を開始する予定。

 三菱製紙はこれまで、湿式不織布の分野で、主にクッションフロアの基材、⽔処理膜基材、バッテリーセパレータ等を⽣産してきた。⼀⽅、メルトブロー不織布のような乾式不織布の⾃社⽣産は今回が初めての取り組みとなるが、乾式不織布を使⽤した製品としては、空気清浄機⽤抗ウィルス機能性フィルターを製造販売するなど、多くの機能性濾材の技術的知⾒を蓄積している。

 今回独⾃のメルトブロー不織布とマスクの⽣産設備を導⼊し、これまで培った技術を適応させることで、抗菌・抗ウィルス・抗アレルゲン物質等の機能を付与した⾼機能マスクの⾃社⽣産を開始すると同時に、メルトブロー不織布と既存の湿式不織布を複合させた各種機能性濾材の開発を進め、安全で快適な⽣活に役⽴つ機能性製品のラインアップをさらに充実させていく。

<新設備の概要>

⽣産品⽬:メルトブロー不織布、不織布マスク

設置場所:三菱製紙株式会社 ⾼砂⼯場(兵庫県⾼砂市

設備投資⾦額:約5億円

営業運転開始:2021年6 ⽉(予定)

【⽤語解説】※メルトブロー不織布:スパンボンド不織布と同様の原理で⽣産されるが、溶融された樹脂を⾼温・⾼速の空気流で吹き⾶ばし紡⽷することで、より微細な繊維が形成される。多層の不織布マスクの内側等各種フィルター⽤途に利⽤され、ウィルスや花粉除去などのフィルター性能の中⼼的役割を担う。その他吸⾳材、吸油材、⾐料⽤中綿等の⽤途に使⽤されている。

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