IHI、インドネシアで発電用ボイラの主要部改修工事を連続受注

・同国の電力インフラの安定稼働に貢献

 ㈱IHIは11月16日、現地発電所保守運営会社PT COGINDO DAYABERSAMA社(以下、コギンド社)と共同で、インドネシア国営電力会社PLN社の子会社であるインドネシアパワー社が運営する、パンカランスス石炭火力発電所2号機(20万kW)のボイラの主要部である、過熱器の改修工事を受注したと発表した。これは、今年2月に受注した同国スララヤ石炭火力発電所8号機に続く、他社製ボイラの主要部改修工事の連続受注となる。

 インドネシアでは、電力の安定供給が喫緊の課題となっているが、以前納入された多数のボイラで品質面でのトラブルが生じている。今回工事が行われるパンカランスス石炭火力発電所(出力合計40万kW)は、スマトラ島北部に位置する、同国にとって重要な発電設備のひとつである。今回IHIが更新を担当する過熱器は、これまでに多くのトラブルが発生しており、同工事による安定稼働の実現が期待されている。過熱器は、ボイラの中でも高温高圧の負荷がかかる主要部である。また、他社製ボイラの改修工事は工事難易度が高く、改修には高い技術が必要とされるため、新設・メンテナンスの豊富な実績を持つIHIが、同工事を受注するに至ったもの。

 IHIのボイラ事業は、国内外での豊富な納入実績にもとづく高い信頼性と、適切なメンテナンスサポートによって、経年後も高い発電効率を維持できることを特徴としている。また、インドネシアにボイラ設備の製造拠点PT. Cilegon Fabricators(チレゴンファブリケーターズ)を、マレーシアにはボイラメンテナンス拠点のIHI POWER SYSTEM MALAYSIA SDN BHD(IHIパワーシステムマレーシア)を有しており、インドネシアをはじめとする東南アジアの電力インフラをサポートする体制を整えている。

 IHIは、メンテナンスの高度化やサポート体制の強化により、ライフサイクルビジネスを加速することで、グローバルな環境負荷の低減とエネルギーの安定供給の両立に積極的に取り組んでいる。IHIの豊富な知見を活かし、質の高いインフラを提供することによって、世界の発電所の安定運転・高稼働率での運転に寄与し、お客さまの価値向上と持続可能な社会の実現に貢献していく。

<工事の概要>

オーナー:PT. Indonesia Power

工事仕様:ボイラ過熱器更新

完成予定:2021年3月

工事体制:IHIとコギンド社のコンソーシアム

担当所掌:IHI:ボイラ主要機器の納入等  コギンド社:据付等

<インドネシアパワー社 パンカランスス火力発電所>

出力合計:40万kW(1~2号機 各20万kW)

場所:スマトラ北部 パンカランスス 

<インドネシアで遂行中の石炭火力ボイラ改修工事について>

・2020年2月18日プレスリリース 「インドネシア スララヤ発電所向けボイラ改修工事を受注」(スララヤ石炭火力発電所)

 ニュースリリース