北川鉄工所、20年4~9月の売上は32.8%減の214億円、通期予想は20.1%減の466億円

 ㈱北川鉄工所が11月13日に発表した2021年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高はグループ全体で、21,434百万円(前年同期比32.8%減)、営業損失992百万円(前年同期+2,386百万円)、経常損失720百万円(前年同期+2,584百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失804百万円(前年同期+1,596百万円)となった。(数値表記は原文尊重)

 4~9月期における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による影響を受けるなか、米中貿易摩擦をはじめとする通商問題などもあり、依然として先行き不透明な状況が続いている。また、国内経済においても、新型コロナウイルス感染拡大に伴い4月には緊急事態宣言が発令、5月25日の緊急事態宣言解除を機に経済活動が再開され、景気回復の兆しが見えたものの、感染者数も再度増加するなど依然として予断を許さない状況が続いている。

 このような状況のもと、北川鉄工所グループでは、持続的成長へ向けた事業基盤の強化を図るため、新規事業の成長加速、既存事業の収益力強化、成長へ向けた経営基盤の確立に取り組んできた。しかし、グループを取り巻く市場環境は依然として新型コロナウイルス感染症の影響が甚大であり、国内外ともに停滞感や減速感が強く、非常に厳しい経営環境下での事業運営となった。

 北川鉄工所2021年3月期第2四半期データ

■セグメント別業績

<キタガワマテリアルテクノロジーカンパニー>(金属素形材事業)

 自動車関連業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響が依然として払拭できず、中国市場は回復の兆しが見えるものの、日本国内をはじめ北米・欧州の各市場では新車販売台数の落ち込みが続いている。また、農業機械・建設機械業界においても、国内外ともに低調に推移した。

 このような状況のもと、同カンパニーにおいては、国内外の生産拠点間の連携強化、生産効率の向上、製品の付加価値の向上など、従来からの施策を推進するとともに、とりわけ自動車トランスミッション部品などの主要アイテムに対して重点的に品質改善を行い、収益力の向上に努めてきた。また、メキシコ子会社では、自動車の次期モデルに搭載される部品の量産に向けて準備を進めてきた。一方で、自動車メーカーの生産調整に対応するため、操業時間をコントロールするなど、固定費の削減に努めてきた。

 これらの取り組みを進めることによって、収益性の改善に努めてきたが、メキシコ子会社でロックダウンにより操業停止したこと等市場環境の悪化の影響が甚大であり、売上が前年比で大幅に減少し、利益面でも非常に厳しい状況で推移した。

 その結果、4~9月期における同事業の売上高は9,474百万円(前年同期比34.8%減)、セグメント損失(営業損失)は1,207百万円(前年同期+443百万円)となった。

<キタガワサンテックカンパニー>(産業機械事業)

 国内の建設業界においては、公共投資は底堅く推移しているものの、民間設備投資については企業収益の落ち込みを背景に慎重な姿勢が見られるようになり、建設投資全体としては先行き不透明な状況となっている。

 同カンパニーの周辺業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響が限定的と見ていたが、受注・納期に影響が出始めている。

 このような状況のもと、コンクリートプラント事業では、総メッキ仕様の生コンプラントや新型ミキサなどの新製品の販売拡大に努めてきた。荷役機械関連事業では、風力発電の風車建設用クレーンの納入やクレーンの自動操縦システムの開発に注力してきた。立体駐車場事業では空間を最大限に活用できるスーパーロングスパンタイプ立体駐車場の営業強化を図ってきた。

 これらの取り組みを進めることによって、コンクリートプラント事業は、メンテナンス工事を含め順調に推移したものの、荷役機械関連事業は建築用クライミングクレーンの出荷が先送りになり、立体駐車場事業は売上の谷間に当たったこと、新規受注がコロナウイルス感染症の影響で遅れていることにより、全体の売上は前年同期比で減少している。

 その結果、4~9月期における同事業の売上高は8,721百万円(前年同期比27.4%減)、セグメント利益(営業利益)は686百万円(前年同期比58.2%減)となった。

<キタガワグローバルハンドカンパニー>(工作機器事業)

 工作機械関連業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい市場環境が続いている。内需は、半導体製造装置向け製品の需要が堅調に伸びているが、自動車や一般機械関連向け製品の需要は低調な状況が続いている。また、外需についても、中国では回復基調が続いているが、欧州・北米は低水準な状況が続いており、回復に向けた動きが感じられない状況で推移した。

 このような状況のもと、同事業においては、産業用ロボット周辺機器市場での事業化を推進していくために、ロボットハンドのQCD改善や開発の推進、システムインテグレータとのネットワーク構築など、今後の成長に向けた経営課題の解決に取り組むことで、引き続きカンパニーの活性化を行った。また、新型標準チャックBRシリーズの市場認知度を向上させるため積極的に営業活動を行った。一方で、収益面においては、受注量の減少に対応するため、機動的に臨時休業を実施して操業時間をコントロールするなど、固定費の削減に努めてきた。

 これらの取り組みを進めてきたが、市場環境悪化の影響が大きく、国内外ともに企業の設備投資意欲が低下したことにより需要が伸びず、同事業は売上・利益ともに厳しい状況で推移した。

 その結果、4~9月期における同事業の売上高は3,054百万円(前年同期比40.1%減)、セグメント損失(営業損失)は1百万円(前年同期+761百万円)となった。

■2021年3月期の見通し

 2021年3月期連結業績については、4~9月実績を踏まえ、以下のとおり修正した。

 売上高46,600百万円(前回予想:47,300百万円)、営業利益△950百万円(同:△1,500百万円)、経常利益△650百万円(同:△1,000百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益△900百万円(同:△1,200百万円)。

 北川鉄工所の2021年3月期第2四半期決算短信