㈱ソディックが11月13日に発表した2020年12月期第3四半期(1~9月)連結業績によると、売上高は407億44百万円(前年同期比18.0%減)、営業利益8億27百万円(同69.9%減)、経常利益8億93百万円(同65.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億19百万円(同47.4%減)となった。(数値表記は原文尊重)
1~9月期に経済状況は、全世界的に新型コロナウイルス感染拡大の影響により、経済活動が抑制される等厳しい状況にあり、日本においても緊急事態宣言解除後も依然として先行きの見通せない状況が続いているほか、欧米でもロックダウンや外出制限等もあり厳しい状況が継続している。ソディックの最大市場である中国の経済状況においては、感染が収束に向かった4月以降移動制限解除の動きが広がり、中国国内消費は回復傾向ではあるものの、欧米への輸出が回復していないこともあり、依然として不透明な状況は継続している。
このような事業環境の中、ソディックグループは、長期経営計画「Next Stage 2026 ~Toward Further Growth~」を掲げ、「創造」「実行」「苦労・克服」という創業精神を基盤に豊かな未来につながる技術を磨き、ものづくりを通して持続可能な社会の実現にチャレンジしている。
ソディックでは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、安全衛生面の徹底は元より、在宅勤務・時差出勤等を実施し、感染リスクを低減しつつ、業務を継続できる体制を維持してきた。営業活動においては、展示会が相次いで中止となっている中、WEB展示会を実施するなど、ITを活用した活動を展開している。生産活動においても、需要減少に合わせた生産調整のため、タイ工場の稼働日の調整によりコスト低減を図っている。
また、新型コロナウイルス感染拡大防止への社会貢献のため、フェイスシールド用フレーム「Face Tech」を開発し、医療関係・学校法人・スポーツ団体等へ供給した。
■セグメント経営成績
<工作機械事業>
売上高 26,317百万円 (前年同期比 23.7%減)、営業利益1,675百万円(同1,889百万円減 )
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全世界的に景気が大幅に減速し、自動車や電子部品、航空宇宙など幅広い産業での事業活動停止等による製品出荷の後ろ倒しや設備投資を先送りする傾向が強く見られた。一方で、3月以降中国における5G関連、半導体関連分野の需要回復は継続したが、世界的な需要の落ち込みを補うことはできず、売上高は前年同期比で大幅に減少した。
セグメント利益においても販売台数の減少に伴う工場稼働率の低下等により前年同期比で大幅に減少した。
<産業機械事業>
売上高 8,045百万円 (前年同期比 11.1%増)、営業利益 370百万円 (同 152百万円増)
全世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済活動の抑制状況は継続している。5Gスマートフォンのアンテナ部品向けやレンズ向け案件があった他、CASEなど次世代自動車関連向けなどの需要もあり、売上高は前年同期比で増加したものの、足元の需要状況については一服感が見られ、先行きが見通せない状況となっている。
<食品機械事業>
売上高 2,223百万円 (前年同期比 35.9%減)、営業利益 27百万円 (同 342百万円減)
各種製麺機、麺製造プラント、無菌包装米飯製造装置などの開発・製造・販売、その保守サービスを行っている。衛生面や省人化対応設備の他、外出自粛に伴う巣ごもり需要に関連した需要増が見られたものの、主要な案件の売上見込み時期が第4四半期に集中していることに加え、新型コロナウイルス感染拡大による営業活動の遅れや設備投資の先送りの動きもあった。また、前年同期には、製麺関連の大口案件があったことから、売上高は前年同期比で大幅に減少した。
<その他>
売上高 4,158百万円 (前年同期比 7.5%増)、営業利益 312百万円 (同75百万円増 )
精密コネクタなどの受託生産を行う精密金型・精密成形事業、リニアモータやセラミックス部材の販売等を行う要素技術事業から構成されている。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、テレワーク等による情報通信設備の需要増を反映してセラミックスの需要も増加している。金型成形事業においては、自動車産業の需要に持ち直しの動きが見られるものの、先行きは不透明の状況が続いている。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2020年12月期の連結業績予想については、2020年11月13日付けで8月7日公表の業績予想を下記の通り修正した。
売上高55,400百万円(前回予想:54,500百万円)、営業利益 1,300百万円(同:1,000百万円)、経常利益1,300百万円(同:1,000百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益750(同:500百万円)。
修正の理由は、中国市場での需要継続や、日本及び欧米で事業活動が再開されたことにより放電加工機の販売が回復基調であり、1~9月期の業績が想定を上回ったこと及び足元の事業環境を勘案した。
前提となる第4四半期の主な為替レートは、1ドル104 円、1ユーロ123 円を想定している。
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