井関農機、20年1~9月の売上は7.7%減の1,116億円

 井関農機が11月12日に発表した2020年12月期第3四半期(1~9月)連結業績によると、売上高は、111,601百万円(前年同期比7.7%減)となった。営業利益は、販管費の削減があったものの減収による粗利益減少に加え仕入エンジンの入荷遅れに伴う部品在庫の評価損の計上等により、3,162百万円(同30.1%減)、経常利益は2,839百万円(同129%減)、親会社株主に帰属する第3四半期純利益は、2,418百万円(同13.4%増)となった。

 井関農機2020年第3四半期データ

 1~9月期における国内経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響が続く中で、外出自粛緩和と経済活動の再開により、持ち直しの兆しが見られた。海外についても、徐々に経済活動が再開し緩やかな回復の兆しも見られるが、先行きは不透明な状況である。このような状況の中、井関農機グループは、国内では新商品の投入や顧客対応の充実など農業構造変化への対応強化、海外では主力市場である北米、欧州、中国、アセアンでの販売強化に努めてきた。

 売上高のうち、国内は、補修用部品および修理整備等のメンテ収入が堅調に推移したほか大型物件の完成のあった施設工事が増加となった一方、消費増税後の不透明な需要環境に加え新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う展示会の中止など営業活動の自粛等により農機製品などが減少し、国内売上高は、87,402百万円(前年同期比8.9%減)となった。

 海外は、中国向けの田植機半製品や韓国向けのトラクタ・コンバインの出荷が伸びた一方、北米向けはトラクタの巣ごもり特需はあったものの一部商品に搭載の仕入エンジン入荷遅れが響き減少、欧州では為替影響に加え新型コロナウイルス感染症対策として現地代理店店舗が一時閉鎖されたことから出荷調整を行ったことが響き減少、アセアンはインドネシア向けトラクタの出荷減少などにより、海外売上高は、24, 198百万円(同3.2%減)となった。

■商品別の売上状況

<国内>

 整地用機械(トラクタ、乗用管理機など)は17,346百万円(前年同期比18.6%減)、栽培用機械(田植機、野菜移植機)は6,435百万円(同19.6%減)、収穫調製用機械(コンバインなど)は11,977百万円(同15.1%減)、作業機・補修用部品・修理収入は31,660百万円(同5.1%減)、その他農業関連(施設工事など)は19,982百万円(同4.1%増)となった。

<海外>

 整地用機械(トラクタなど)は17,371百万円(前年同期比9.5%減)、栽培用機械(田植機など)は1,457百万円(同41.9%増)、収穫調製用機械(コンバインなど)は2,250百万円(同45.6%増)、作業機・補修用部品は2,142百万円(同3.0%減少)、その他農業関連は977百万円(同4.3%減)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 第3四半期では、新型コロナウイルス感染症による井関農機業績への影響は縮小しつつあるが、国内外では同感染症の再拡大が顕在化し、経済的影響は依然として不確実な状況にある。したがって、現時点では、下記のとおり2020年8月6日に公表した2020年12月期通期業績予想を据え置くことにした。

 売上高144,500百万円(前期比3.6%減)、営業利益1,100百万円(同59.9%減)、経常利益200百万円(同82.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益200百万円(同72.3%減)。

 井関農機の2020年12月期第3四半期決算短信

 第3四半期決算補足説明資料