太平洋セメント、約300億円投じてフィリピン子会社の生産能力を増強

・最新鋭の生産ラインに更新

 太平洋セメントは11月10日、連結子会社であるタイヘイヨウセメントフィリピンズ(本社:フィリピン共和国セブ州、 以下TCPI 社)に最新鋭の生産ラインへの更新により生産能力を増強すると発表した。

 フィリピンでは好調な経済成長に伴う建設投資の増加等により、セメント需要は堅調に推移している。 2015 年から 2019 年までの5年間で年間セメント需要は約 30%増加し、3,200 万トンに達したと推定される。2020 年のセメント需要は、新型コロナウイルス感染拡大等の影響により一時的に縮小するが、2021年のGDP成長率は 5.3%(※)と予想されており、政府の大規模インフラ投資計画「ビルド・ビルド・ビルド」 等により、セメント需要は再び上昇に転じると見込まれている。

 TCPI 社では今後も旺盛なセメント需要に応えるため、太平洋セメントグループがこれまで培ってきた技術や経験を最大限に活かし、世界的にも最先端の技術を採用した最新鋭の生産ラインを導入する。総投資額として300億円程度を見込んでおり、セメント生産能力を年間約 300 万トンに増強する。また、将来、年間販売量 500 万 トン、販売シェア 10%以上を目指していく。

 なお、新生産ラインはエネルギー効率が高く、従来に比べてエネルギー由来の CO2 排出原単位を 10%以上削減することが可能となる。また新生産ラインでは強度発現性の高いクリンカを生産することが可能となり、セメント製造に使用するクリンカ比率を削減することでさらなる CO2 排出原単位の削減も期待できる。

 太平洋セメントグループでは「CSR 目標 2025」や「2050 年を展望した温室効果ガス排出削減に係る長期ビジョン」に掲げる通り、温室効果ガス排出抑制を重要な課題と位置付けている。引き続きグループの総合力を発揮し、経済の発展のみならず環境負荷の低減に積極的に注力することで、環太平洋において社会に安全と安心を提供する企業集団を目指す。

※世界銀行『WORLD BANK EAST ASIA AND PACIFIC ECONOMIC UPDATE OCTOBER 2020』

<TCPI 社の概要>

名称:タイヘイヨウセメントフィリピンズ株式会社

所在地:フィリピン共和国 セブ州 サンフェルナンド町

代表者の役職・氏名:取締役社長 市沢 和彦

事業内容:セメント製造及び販売

資本金:2,180 百万フィリピンペソ

出資構成:太平洋セメント100%

<新設する生産ラインの概要>

セメント生産能力:約 300 万トン/年

稼働予定:2024 年 5 月

<フィリピンのセメント需要>(千トン)

2015年  2016年  2017年  2018年  2019年

   24,360  25,962  28,000  31,000  32,000

*出典

 2015 年~2016 年:Cement Manufacturers’ Association of the Philippines(CeMAP) 、2017 年~2019 年:TCPI 社推定値

 ニュースリリース