スチールプランテック、欧州のオール・イン・ワン廃酸回収設備「SARA®」を国内販売

 製鉄プラントエンジニアリングメーカーのスチールプランテック(本社:神奈川県横浜市)は11月10日、業務提携を結ぶベルギーの総合エンジニアリングメーカー「ジョン・コッカリル(John Cockerill、以下、JC)」グループのUVK社が開発した、コンパクト廃酸回収設備(ARP)「SARA®」(Small Acid Regeneration Assembly)の販売を開始すると発表した。

 UVK社は150年以上の歴史を持ち、高品質の酸洗・ARPを世界中に広く提供し、2000年代だけでも約40基のARP設備の納入実績があるが、従来の設備は顧客毎にカスタマイズした設計・設備となっており、投資回収の観点で中小規模の酸洗プロセスを持つ顧客には投資し難い設備となっていた。

 このほど開発された「SARA®」は、同社のARP最新技術を適用した上で、中小規模の酸洗プロセスに合う様にコンパクト化したもの。加えて、モジュール化、ユニット化を実現することで、制御機器も含めた「オール・イン・ワン」を特徴とする構成とし、工期短縮、設置簡素化を図っている。また、ニーズの高い処理量に応じた2タイプ(500-800l/h&800-1300l/h)の設定となっており、投資検討しやすいラインナップとなっております。直近では、トルコ「Turkish Steel社」より「SARA®」の設計・製作・納入を受注しており、2021年初旬に試運転完了予定。

 UVK社のARP設備は、流動層焙焼方式とスプレー焙焼方式の両方式に対応可能で、大容量ARPの更新ニーズには従来通り、顧客の処理量と方式に応じた設計、製作を継続している。更には、最新の酸洗技術も自社内に保有することから、酸洗更新に同期したARP設備の最新化が可能。一方、中小容量のARPニーズには「SARA®」を導入することで、早期の投資効果が期待できる。なお、従来のARP設備と同様に、「SARA®」も、酸洗運転室にて操業状態監視が可能であり、酸洗ラインとの一元操業管理を前提としている。

 スチールプランテックは、これまでのJCの酸洗設備・ARP設備に加え、「SARA®」をメニューに加えることで、環境性能が高い一貫した酸洗プロセス設備を、処理量に依存せずご提供することが可能となる。3年目を迎えるJCとの業務提携により、グローバルな視野で、顧客のニーズに随時応えられる提案を続ける。

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