芝浦機械、20年4~9月の売上は29%減の423億円、通期予想は21.2%減の920億円で変更せず

 芝浦機械が11月9日に発表した2021年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、受注高は、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより設備投資に慎重な動きが見られたことから305億9千9百万円(前年同期比42.5%減)、売上高は423億7百万円(前年同期比29.0%減)となった。

 損益については、営業損失は3億1千5百万円(前年同期は営業利益16億3千7百万円)、経常損失は7億5百万円(前年同期は経常利益24億5百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は10億5千2百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益16億2千万円)となった。(数値表記は原文尊重)

 4~9月期における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が続く中、依然としてしい状況が続いているものの、経済活動の再開が徐々に進み、回復の兆しが見られた。国内経済も緊急事態宣言解除後は経済活動が徐々に戻りつつあり、輸出や生産に持ち直しの動きが見られた。芝浦機械グループが属する機械業界については、中国や米国など一部の地域では設備投資需要の回復が見られるが、国内外とも自動車関係を中心に設備投資に対して消極的な姿勢が継続している。このような経済環境のもとで、芝浦機械グループは中期経営計画である「経営改革プラン」に基づき、高収益企業への変革に向けて、組織再編を中核とした経営改革、成長分野に対応した投資の推進、資本効率(ROE)の向上を目指した財務戦略の実行に取り組んでいる。

 芝浦機械2021年3月期第2四半期データ

■セグメント別の概況

<成形機事業>(射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など)

 射出成形機の販売は北米、中国向けが堅調に推移したものの、国内、東南アジア、インド向けが減少した。受注は中国向けが増加したものの、国内外で自動車向けを中心とした設備投資が軟調に推移した。

 ダイカストマシンは、国内外で自動車向けが軟調に推移したため、販売と受注が減少した。押出成形機の販売は国内の環境に配慮した新素材用シート・フィルム製造装置が増加したものの、中国の二次電池向けシート・フィルム製造装置が減少した。受注は中国の光学用シート・フィルム製造装置が増加したものの、中国の二次電池向けおよび国内の食品容器向けシート・フィルム製造装置が減少した。

 この結果、成形機事業全体の受注高は207億4千5百万円(前年同期比41.0%減)、売上高は280億6千2百万円(前年同期比28.7%減)、営業利益は1億2百万円(前年同期比95.1%減)となった

<工作機械事業>(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤、精密加工機など)

 工作機械は、国内外で産業機械向けおよび建設機械向けの販売と受注が減少した。精密加工機の販売は国内の光学系金型向けが堅調に推移したものの、中国、台湾の光学系金型向けが減少した。受注は国内外で光学系金型向けが軟調に推移した。

 この結果、工作機械事業全体の受注高は66億8千7百万円(前年同期比50.0%減)、売上高は103億4千3百万円(前年同期比32.6%減)、営業損失は4億7千7百万円(前年同期は営業利益2億3千1百万円)となった。

<制御機械事業>(産業用ロボット、電子制御装置など)

 制御機械は、中国の電子デバイス・スマートフォン等の組立自動化設備向けは堅調に推移したものの、国内は設備投資の先送りなどを受けて、販売と受注が減少した。

 この結果、制御機械事業全体の受注高は24億6百万円(前年同期30.0%減)、売上高は30億1千3百万円(前年同期比13.1%減)、営業損失は6千3百万円(前年同期は営業損失2千7百万円)となった。

<その他の事業>

 その他の事業全体の受注高は7億6千万円(前年同期比40.0%減)、売上高は8億8千8百万円(前年同期比37.7%減)、営業利益は8千9百万円(前年同期は営業損失6億6千3百万円)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 通期の業績については、2020年5月27日に公表した以下の業績予想を据え置いている。売上高920億円(前期比21.2%減)、営業損失14億円、経常損失24億円、親会社株主に帰属する当期純損失26億円。

 芝浦機械の2021年3月期第2四半期決算短信