日本フルードパワー工業会は10月29日、「2020年・年度油圧・空気圧機器需要見通し」を発表した。新型コロナの影響から作業の中断を余儀なくされていたが、10月に再度、総需要委員会を開き、改めて作成・公表することになった。以下、リリースより抜粋。
詳細データは、ニュースリリース(2020年・年度油圧・空気圧機器需要見通し)
2020年・年度油圧・空気圧機器需要見通しについて
2020年10月22日
1.1 まえがき
2020年・年度の油圧・空気圧機器の需要見通しを行うにあたって、年間計画では、3月に総需要委員会を開催し、4月の理事会で発表することとなっていたところ、年初からの新型コロナ感染防止の観点から緊急事態宣言が出されたこともあり国内景気は深い落ち込みとなり、その時点では需要見通しの作業を中断せざるを得なかった。緊急事態宣言が解除されるとともに、中国の景気刺激策で中国向け輸出が上向きとなり6月以降持ち直しの動きがみられ、若干の落ち着きが出てきた一方、米中貿易摩擦は、5Gや半導体分野などのハイテク分野でより深刻化し、また英国、EUのブレクジット問題も合意なき離脱が現実味を帯び始め、米国の大統領選の行方含め、より一層内外状況を注視していかなければならない状況となっている。
こうした経済環境の中で、10月に当会の総需要委員会及び油圧分科会並びに空気圧分科会を開催し、今般「2020年・年度の需要見通し」を作成・公表するものであります。
1.2 油圧機器出荷額
2020年・年度の市場動向を見ると、市場の約4割を占める建設機械部門が新型コロナウイルス感染拡大の影響で、主力機種である油圧ショベル・ミニショベルが落込み大幅な減少となっている。
また、3割強を占める輸出部門も下期に減少幅は縮小するものの回復までには至らず、全ての業種で昨年度を下回る見込みである。
このため暦年は前年比15.0%減の3,302億円、年度は前年度比13.9%減の3,259億円と予測した。
歴年ベース出荷額
2019年 出荷額(実績) 3,883億円(対前年比2.0%減)
2020年 出荷額(予測) 3,302億円(対前年比15.0%減)
年度ベース出荷額
2019年度 出荷額(実績) 3,783億円(対前年度比6.2%減)
2020年度 出荷額(予測) 3,259億円(対前年度比13.9%減)
1.3 空気圧機器出荷額
2020年・年度の市場動向を見ると、新型コロナウイルス感染拡大の影響で母機の工場稼働が低下しており、自動車をはじめ需要が落ち込んだ。昨年業界を悩ませたメモリ市況低迷が一段落したことや医療機器メーカーによる投資需要が急速に伸びているが、全体の落ち込みを補いきれない。
一方で5割を占める輸出については、4-6月期を底に中国市場の工作機械・スマホ関連事業が急回復しており、需要部門別では唯一前年比増の見通しである。
このため暦年は前年比1.7%増の4,215億円、年度は前年度比1.6%増の4,222億円と予測した。
歴年ベース出荷額
2019年 出荷額(実績) 4,145億円(対前年比14.7%減)
2020年 出荷額(予測) 4,215億円(対前年比1.7%増)
年度ベース出荷額
2019年度 出荷額(実績) 4,154億円(対前年度比11.1%減)
2020年度 出荷額(予測) 4,222億円(対前年度比1.6%増)
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