牧野フライス、20年4~9月売上は33.4%減の496億円、通期予想は28.8%減の1,135億円

 ㈱牧野フライス製作所が10月30日に発表した2021年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高496億34百万円(前年同期比33.4%減)、営業損失37億16百万円、経常損失28億10百万円、純損失33億6百万円となった。

 上期の連結受注は518億14百万円(前年同期比36.1%減)となった。前年同期を大きく下回った。前年同期に高水準だった日本とアメリカの減少が大きくなったことと、中国を除き新型コロナウイルス感染症の影響が続いていることが主な要因。(数値表記は原文尊重)

 牧野フライス2021年3月期第2四半期データ

■第2四半期(7~9月)受注状況

(現地通貨ベース、(報告セグメントはグループの販売体制をもとに構成)

<セグメントⅠ (「個別」および国内連結子会社)>

 牧野フライス製作所の国内受注は前年同期を大きく下回った。先行きの不透明感から顧客が設備投資を延期される状況が継続した。第1四半期に比べても減少した。自動車向けでまとまった受注に対する反動減があったほか、政府の補助金等の施策による同社受注への後押しが第3四半期以降に延びたことによる。第3四半期は政府施策による後押しを含め、受注増となるよう努める。

<セグメントⅡ ( MAKINO ASIA PTE LTD )>

 アジアは前年同期を下回った。インドおよびアセアンの減少が主な要因。中国は前年同期並みとなり、新型コロナウイルスによる影響が出る前の水準に戻った。中国では、商用車や油空圧関連の部品加工向けからの受注があった。第3四半期も回復傾向が続くとみている。電気電子関連の金型向けに加え、乗用車や半導体製造装置の部品加工向けの引き合いが出てきている。インドおよびアセアンの第3四半期は、横ばいで推移するとみている。

<セグメントⅢ ( MAKINO INC. )>

 アメリカは前年同期を下回った。自動車と航空機向けの減少が主な要因。受注が大きく落ち込んだ第1四半期に対しては増加した。新型コロナウイルスの感染拡大懸念など、厳しい状況が続く中で、SUVやピックアップトラック、医療、および防衛関連でまとまった受注を獲得したため。第3四半期も引き続き受注の確保に努める。

<セグメントⅣ ( MAKINO Europe GmbH )>

 ヨーロッパは前年同期を下回った。低迷が続いている。第3四半期は、抱えている引き合いを着実に獲得することで、第2四半期に対して緩やかに増加するとみている。11月16日よりオンラインで開催される工作機械見本市JIMTOFに出展する。ダイカスト金型の大型化や、半導体製造装置に使われる脆性材の加工等、市場のトレンドを捉えた新しい技術と製品の展示を予定している。さらに、将来の環境や社会にかかわる課題への当社の取り組みを具体化したコンセプト機の発表を予定。これらをスピーディに市場に展開することで受注の回復に努める。

■連結業績予想に関する定性的情報

 2021年3月期連結業績については、環境の変化に対応したコスト削減が想定以上に進んだため、2020年7月31日に公表予想を下記のとおり修正した。

 売上高1,135億円(前回予想:同)、営業利益△60億円(同:71億円)、経常利益△50億円(同:65億円)、親会社株主に帰属する当期純利益△56億円(同:69億円)。

 牧野フライス製作所2021年3月期第2四半期決算短信