ファナック、20年4~9月売上は11.7%減の2,304億円、通期予想は5,025億円に上方修正

 ファナックが10月29日に発表した2021年3月期第2 四半期(4~9月)連結業績によると、売上高が2,304 億11 百万円(前年同期比11.7%減)、経常利益が382 億20 百万円(同33.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が281 億12 百万円(同30.0%減)となった。(数値表記は原文尊重)

 4~9月期における経営環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、世界的に設備投資の減少傾向が続くなど、厳しい市場環境となったが、中国がいち早く回復したほか、の他の地域も期の後半から緩やかに回復してきた。ファナックは、新型コロナウイルスの感染拡大防止を最優先としつつ、顧客への商品の供給とサービス活動の継続に努めてきた。また、市場環境の変化に対処すべく、経費削減、不要不急な設備投資の見直し、業務の合理化など企業体質の強化を図っている。

 ファナック2021年3月期第2四半期データ

■部門別の概況

<FA部門>

 CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、中国では回復し好調に推移した。インドでも、農機、二輪車関係を中心に徐々に需要が回復している。日本国内や韓国、台湾では需要が低調に推移し、第1四半期にロックダウンの影響が顕著であった欧州も引き続き需要が落ち込んだ。ただし、いずれの地域でも中国市場向けの輸出需要が少しずつ増えてきている。レーザについては、需要が世界的に低調に推移し、海外メーカとの厳しい競争も継続している。

 この結果、FA部門の売上高は674億27百万円(前年同期比12.2%減)となった。

<ロボット部門>

 中国ではIT関連の他、EV、建機、重機およびその他の機械加工向けも加わり、売上が好調に推移した。米州では一般産業向けが堅調で、自動車産業向けもEV関連の需要を取り込み、売上が回復傾向にある。一方、国内および欧州では売上が低調に推移した。これらの結果、ロボット部門の売上高は880億37百万円(前年同期比10.7%減)となった。

<ロボマシン部門>

 ロボドリル(小型切削加工機)において、中国におけるパソコン、タブレット市場向けの需要が徐々に増加したため、売上が増加した。ロボショット(電動射出成形機)については、売上は前年同期に比べて減少したが、医療市場向けを中心に拡販に努めました。ロボカット(ワイヤカット放電加工機)については、市場の低迷に伴い売上が減少した。これらの結果、ロボマシン部門の売上高は394億51百万円(前年同期比3.3%減)となった。

<サービス部門>

 世界各地でのロックダウンなどによる影響を受け、顧客の工場の稼働停止や工場の稼働率低下等により、ファナックサービスへの依頼が減少したものの、経済活動の再開に伴ってファナックサービスへの依頼が回復傾向にある。これらの結果、サービス部門の売上高は354億96百万円(前年同期比20.8%減)となった。

■連結業績予想に関する説明

 IT関連の需要が好調なことに加えて、ロボットの需要が増加することが見込まれることから、2020年度(2021年3月期)連結業績予想は以下のとおり修正した。

 売上高5,025億円(前回予想:4,233億円)、営業利益854億円(同:385億円)、経常利益963億円(同:477億円)、親会社株主に帰属する当期純利益718億円(同:345億円)。

 ただし、今後の新型コロナウイルス感染症の拡大の程度や収束の時期などにより大きく変動する可能性があり、開示すべき重要な事項が発生した場合には、速やかに業績への影響を発表する。

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