竹内製作所、21年2月期第2四半期(3~8月)売上は14.9%減の約532億円(更新)

 ㈱竹内製作所が10月9日に発表した2021年2月期第2四半期連結累計期間(2020年3~8月)の売上高は531億7千7百万円(前年同期比14.9%減)となった。利益面については、製品販売価格の値上げ、出荷台数の減少に伴う運搬費の減少、製品保証引当金繰入額の減少等の増益要因はあったものの、売上高が減少したこと、及び主要通貨が総じて円高に推移したこと等により、営業利益は68億1千4百万円(同13.2%減)となり、経常利益は67億5千8百万円(同10.0%減)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、税金費用を18億4千1百万円計上したことにより、49億1千6百万円(同10.3%減)となった。(数値表記は原文)

 竹内製作所2021年2月期第2四半期データ

■経営成績に関する説明

 主力市場である米国及び欧州の第2四半期(2020年3~8月)の経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により、企業の投資マインドは全世界的に著しく縮小し、外出規制と雇用環境の悪化による個人消費の急速な冷え込みとともに、住宅需要も一気に落ち込んだ。

 5月に入るとロックダウンの解除など、各国の状況に違いはあるが、欧米先進諸国は段階的な経済活動の再開に動き始めており、景気悪化はいったん底を打った。しかし、新型コロナウイルスの脅威は依然として継続しており、経済活動の再開と感染防止の両立に向け、各国政府は非常に難しい舵取りを迫られている。また、コロナ禍を巡る根深い米中対立、米国の大統領選挙を控えた政治経済の停滞、EUと英国の通商交渉の難航など不安材料も存在しており、経済の正常化には相応の時間を要するものと考えられる。

 このような環境下にあっても、2020年1月には油圧ショベル「TB370」を、2020年2月にはクローラーキャリア「TCR50-2」を、2020年4月にはクローラーローダー「TL8R-2」を、2020年8月にはミニショベル「TB257FR」を市場投入した。

 しかし、ロックダウンや外出規制により欧米各国の工事は停滞し、竹内製作所グループ、ディストリビューター及びディーラーの営業活動は大きく制限された。欧米各国での経済活動の再開とともに、竹内製作所製品の需要はコロナ禍前の水準に向けて回復しつつも、米国、欧州及び竹内製作所グループ全体の販売台数は、前年同期に比べ減少した。

■セグメント別の経営成績

<日本>

 日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められている。2020年1月に市場投入した油圧ショベルの新製品「TB370」が業績に貢献したものの、新型コロナウイルスの影響により欧州ディストリビューター向けの販売台数が減少し、売上高は220億2千1百万円(前年同期比8.1%減)となった。セグメント利益は、欧州ディストリビューター向けの値上げや出荷台数の減少に伴う運搬費の減少があったものの、売上高が減少したこと及び主要通貨が総じて円高に推移したこと等により、37億4千万円(同28.7%減)となった。

<米国>

 新型コロナウイルスの影響で販売台数が減少したこと等により、売上高は237億6千5百万円(前年同期比13.9%減)となった。セグメント利益は、製品販売価格の値上げ、プロダクトミックスの変化、及び日本セグメントからの製品仕入価格の値下げ等により21億4百万円(同23.0%増)となった。

<英国>

 EU離脱後の通商交渉の不透明感に加えて、新型コロナウイルスによるロックダウンの影響が重なり、販売台数は大きく減少した。また、円高によりポンド建て売上高が為替の影響を受け、売上高は42億7千万円(前年同期比39.9%減)となった。セグメント利益は、製品販売価格の値上げ、日本セグメントからの製品仕入価格の値下げ等はあったものの、売上高が減少したことにより3億3千6百万円(同20.7%減)となった。

<フランス>

 フランスでの全国的なストライキの影響と、新型コロナウイルスによるロックダウンの影響により、販売台数は大きく減少した。この結果、売上高は30億9千6百万円(前年同期比14.3%減)となった。セグメント利益は、日本セグメントからの製品仕入価格の値下げ等により1億9千5百万円(同42.8%増)となった。

<中国>

 新型コロナウイルスの影響により減産を余儀なくされたため固定費率が上昇したこと、及びたな卸資産の評価損を計上したこと等により、セグメント利益を圧迫した。この結果、売上高は2千4百万円(前年同期比85.1%減)となり、セグメント損失は1億5千3百万円(前年同期は2千1百万円のセグメント利益)となった。

■2021年2月期連結業績予想

 2021年2月期連結業績は、2020年10月2日付で公表(下記)した業績予想に変更はない。

 売上高は1,019億円(前回予想:935億円)、営業利益111億円(同:84億円)、経常利益110億円(同:84億5,000万円)、親会社株主に帰属する当期純利益80億円(同;61億5,000万円)となる見通し。

 業績予想における第3四半期以降の為替レートは、1米ドル=104円、1英ポンド=135円、1ユーロ=124円、1人民元=15.40円を前提としている。

 竹内製作所の2021年2月期第2四半期決算短信

 第2四半期決算説明資料(2020年10月23日追加)