・鉱山全体のオペレーション効率化に向けてオープンイノベーションを強化
日立建機は10月21日、Chrysalix Venture Capital(本社:カナダ バンクーバー/以下、クリサリックス)と、同社が募集するChrysalix RoboValley Fund(クリサリックス ロボバレー ファンド)に出資することで合意したと発表した。日立建機は同ファンドへの出資を通じ、クリサリックスが有するマイニング分野での豊富なネットワークを活用し、ロボティクスやIoT、AIなど鉱山向け最新技術を有するスタートアップとのオープンイノベーションを強化する。
近年、鉱山機械の自律化や電動化の動きが加速しており、また鉱山機械だけでなく鉱山全体のオペレーションを効率化・最適化するソリューションのニーズが高まっている中、数多くのスタートアップが新しい技術やサービスを提供し始めている。
日立建機グループは、これまでも日立グループの幅広い技術を結集する「One Hitachi」の取り組みや、社外の技術やサービスを用いて新しい価値を創り出す「オープンイノベーション」を進めてきた。加えて、スタートアップとの連携を強化するために、2020年4月に「ベンチャー投資推進プロジェクト」を発足させ、このほどプロジェクト活動の第一弾として同ファンドへの出資を決定した。
クリサリックスは、カナダとオランダに拠点を置き、2001年に設立されたベンチャー・キャピタルで、資源、エネルギー、環境分野を中心としたスタートアップに投資を行っている。今回、日立建機が出資するクリサリックス ロボバレー ファンドは、2018年11月に設立され、資源、マイニング業界を投資対象としており、特にマイニング業界で豊富なネットワークを有している。
今後、日立建機グループは、プロジェクトチームが中心となり、クリサリックスのネットワークを活用してスタートアップとの連携を強化する。マイニング事業のみならず、さまざまなビジネスパートナーやスタートアップとのオープンイノベーションを強力に推進し、顧客の課題解決に貢献していく。
<今回出資するファンドの概要>
ファンド名:Chrysalix RoboValley US Limited Partnership
出資契約締結日:2020年10月9日
投資領域:資源、マイニング、エネルギー、建設、化学、製造、モビリティ、農業、林業
目標運用額:1億2,000万USドル(約132億円、110円換算)
■日立建機グループのマイニング事業
日立建機グループのマイニング事業は、鉱山機械(超大型油圧ショベル、ダンプトラック)のほか、ダンプトラックの自律走行システム(AHS)や運行管理システム(FMS)などを開発・提供している。顧客の現場の安全性や生産性の向上、ライフサイクルコストの低減に貢献すべく、2021年度には超大型油圧ショベルの自律運転に向けた実証実験や、鉱山機械を遠隔監視して故障の予兆検知を行うConSite® Mineの提供開始を予定している。