DMG森精機、自動化とデジタル化のモデル工場monoBLOCKエクセレンスファクトリーが稼働

 DMG森精機は10月19日、ドイツ・バイエルン州に位置し、欧州最大の生産拠点であるフロンテン工場に新設した「monoBLOCKエクセレンスファクトリー」の稼働を開始したと発表した。自動化・デジタルソリューションを活用し、5軸制御マシニングセンタ monoBLOCKシリーズの生産工程を革新した。

 新設した広さ 4,000㎡の monoBLOCKエクセレンスファクトリーでは、無人搬送車 (以下、AGV)によるライン生産を導入した。レール上を走行するシステムとは異なり、AGVはより柔軟なソリューションであり、リモートコントロールで自由に操縦可能で、毎分 45mmの速さで次のステーションへ機械を自動で移動させる。

 monoBLOCKシリーズの生産では、組立から基本精度、カバー取り付け、品質検査まで 全34工程のライン生産を実施している。AGVによる効率的なライン生産の導入により、 従来 10日以上掛かっていた1台あたりの生産リードタイムが 7日に短縮し、生産性が 30%向上した。これにより、年間生産能力は従来の600台から 1,000台に拡大した。

 デジタルソリューションの面では、製造現場の生産性向上をデジタル化により支援する、アプリケーション作成プラットフォーム 「TULIP(チューリップ)」を導入した。TULIPはライン生産を支える重要なツール。プログラミングの専門知識が不要で、現場作業者が 素早く、直感的に、作業手順書や検査・ 品質管理、機器モニタリングなど独自のアプリ ケーションを作ることができ、加工機や計測機器、既存システムなどとも連携できる。また、 TULIPは品質を高く安定して保つためのツールでもあります。 図面や写真、動画 を用いた分かりやすい作業指示により、組立や品質管理などの複雑な工程を効率化し、人的ミスを排除する。さらに、作業実績や機器の稼働状況などバリューチェーン全体の情報をリアルタイムで可視化し、工程改善の好循環を生み出す。

 monoBLOCKエクセレンスファクトリーは、自動化とデジタル化のモデル工場。DMG森精機は、顧客に高精度・高機能で信頼性が高く、投資価値のある製品をより早く提供できるように、今後、他の生産拠点にも展開していく。

<フロンテン工場 >

所在地:DECKEL MAHO-Str. 1, D-87459 Pfronten, ドイツ

生産品目:5軸制御マシニングセンタ monoBLOCKシリーズ、 duoBLOCKシリーズ 、 門形シリーズ、Gantryシリーズ 等

従業員数::約 1,500名

 ニュースリリース