・軸の攪拌軸に独自の軸シールとエアパージ機構を採用
㈱ソディックは10月19日、高品質即席麺やチルド麺などの混錬工程に対応する大型2軸ミキサの新製品「TM-350W」を開発し、2020年8月より発売していると発表した。
「TM-350W」は、麺生地を2軸撹拌することで練り性能を向上でき、1回の練り量は小麦粉 350kgと、大型ラインの大容量生産に適応する。撹拌軸のシール部には、独自の軸シールとエアパージ(空気追い出し)を採用することで、ドラム内部の気密性を高め異物侵入を防ぐとともに、麺生地の品質向上につながるドラム内の真空性能を長期間維持できる。さらにシール部にOリングを使う方式と比べメンテナンス頻度も大幅に削減できる。
「TM-350W」は、多様なオプションを設定しており、真空式と常圧式の2種類をラインアップするとともに、ドラム内部を高圧で自動洗浄し全体の洗浄作業時間を75%も短縮できる(同社従来機比較)CIP(※)機能や加温・冷却ユニットなど、顧客の製造ラインのニーズに合わせて幅広く対応可能。※Cleaning in Placeの略「定置洗浄」
即席麺の市場は、海外、特にアジアにおける消費量が増加している。日本国内でも単身世帯の増加、高齢化といった社会構造の変化により、即席麺(カップ麺、個売り袋麺)の消費が伸びており、自然災害や新型コロナの影響により、備蓄用食品としても関心が高まっている。これにともない即席麺メーカー各社も生産体制を強化する動きがみられ、なかでも混練工程を担うミキサの処理能力向上が重要で、1食分 100gの即席麺を毎時 20,000食製造する際に使用する小麦粉量は2,000kg、ミキサ2台を各3回、計6回稼働すると仮定した場合、1台で300kg以上混錬可能な大型ミキサが必要になる。
今回、ソディックが開発した大型2軸ミキサの新製品「TM-350W」は、1回の練り量は小麦粉 350kgと即席麺の大型ラインの大容量生産に適応。2本の攪拌軸は「正転・逆転機能」を持ち、加水時には、2本の攪拌軸にて生地をまき上げることで水分の偏りを無くし、混錬時には逆転させることで回流を起こし、生地の水分布を均一にする。軸の周りに配置したピンの径を太くすることで、生地の押込み量を強め”コシ”など麺質の向上を図るとともに、ドラムとピンとのすき間も従来値より狭くすることで壁付近の生地も残さず回流させ練りムラを解消する。これにより食味に優れた高品質な麺生地を大量に混練可能。なお、今回、筐体には、防錆と色彩を兼ね備えた黒色酸化被膜を施したステンレスを採用、衛生的かつ重厚感のあるデザインとした。
ソディックでは、新製品の開発・発売開始を機に、市場が拡大する即席麺市場に向けて食品機械事業を積極的に展開していく。
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