信越化学工業は10月15日、フォトレジスト事業の日本と台湾の製造拠点において、合計300億円の設備投資を実施すると発表した。先端半導体製造に不可欠なフォトレジストの伸長する需要と技術進化に応えるため設備投資を継続する。
半導体の製造プロセスの高度化は今後も継続していく。技術と供給の両面で顧客の要望に適時に応える能力を拡充する。そのための能力増強を子会社の信越電子材料股份有限公司(台湾雲林県、以下「信越電子材料(台湾)」、画像)と信越化学直江津工場(新潟県上越市、以下「直江津工場」)で実施する。信越電子材料(台湾)では、2019年夏に第一期工事を終了しているが、既に新たな工場棟の建設を進めており、今回生産設備をさらに増強する。2021年2月までの工事完了を目指す。一方、直江津工場でも、新たに建屋を建設し、能力増強を進める。2022年2月までの工事完了を目指す。
信越化学は高感度のArFフォトレジストや、回路パターンの寸法精度を向上させる多層レジスト材料を開発し量産化。最先端のフォトレジスト関連製品を顧客に提供してきている。2019年7月に需要地の一つでもある台湾でフォトレジスト材料の生産を開始。生産拠点の複数化を実現して、供給安定性を高めた。
信越化学は、半導体デバイス市場の拡大、トランジスタ数の増大と省電力化のためのデバイスプロセスの進化による半導体関連材料の需要を着実に取り込み、事業基盤の強化をさらに進めていく。
コメントを投稿するにはログインしてください。