日立造船の子会社、モスクワで2件のごみ焼却発電プラント設備を受注

 日立造船は10月14日、100%子会社で、ごみ焼却発電プラントの設計、建設、保守などを手がけるHitachi Zosen Inova AG(スイス)とエンジニアリング会社であるPJSC ZiO-Podolsk(ロシア)によるコンソーシアムが、ロシア・モスクワで2件のごみ焼却発電プラント設備(ストーカ式焼却炉:700,000t/年(3炉)、発電出力:70MW以上)を、Alternative Generating Company-1 LLC (ロシア、以下、AGC1)※から受注したと発表した。

 モスクワ州・市両政府は現在、モスクワ市近郊に4件のごみ焼却発電プラントを建設するプロジェクトを進めており、コンソーシアムは2019年7月、2020年4月に続き、AGC1から残る2件を受注した。

 コンソーシアムは、ごみ焼却発電プラントの主要設備であるごみクレーンや火格子、排ガス処理設備等の設計・機器供給や据付・試運転時のSV派遣業務(技術指導)等を請け負い、土建工事は現地企業の所掌となる。

 近年、モスクワではごみの埋立処理場の容量不足が問題となっており、ごみの衛生的処理と発電の両面からごみ焼却発電プラントの建設が期待されている。全4プラントが稼働すれば、年間約2,800,000tのごみの焼却処理と約150万人分の年間消費電力を賄うことが可能となる。

  日立造船グループが得意とするごみ焼却発電はクリーンエネルギーの1つであり、温室効果ガスの削減に貢献できる。また、環境意識の高まりや経済発展による廃棄物処理量の増加などにより、ごみを主に埋立によって処理してきた東欧、中東、オセアニアなどで、ごみ焼却発電プラントの需要が高まっている。

 日立造船グループは、ごみの衛生的処理やクリーンエネルギーを通じ、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)達成や世界の環境問題解決に積極的に取り組んでいく。

<受注概要>

発注者:Alternative Generating Company-1 L

※ロシアの事業投資会社であるRT-Invest LLCが本プロジェクト実施のために設立したSPC(特別目的会社)

最終需要家:ロシア連邦 モスクワ州・市両政府

建設地:モスクワ市近郊

施設規模:ストーカ式焼却炉(700,000t/年(3炉)、発電出力:70 MW以上/)×2件

 ニュースリリース