日鉄エンジニアリング、第2期君津地域広域廃棄物処理事業を受注

 日鉄エンジニアリング(本社:東京都品川区)を代表とする企業グループが設立した株式会社上総安房クリーンシステムは10月2日、千葉県木更津市・君津市・富津市・袖ケ浦市・鴨川市・南房総市及び鋸南町(以下、7自治体)と第2期君津地域広域廃棄物処理事業に関する事業契約を締結したと発表した。

 現在、木更津市・君津市・富津市及び袖ケ浦市(以下、君津地域4市)は、君津地域広域廃棄物処理事業を実施しており、市内で発生する一般廃棄物の中間処理を株式会社かずさクリーンシステム※1 に委託している。日鉄エンジニアリングは、株式会社かずさクリーンシステムで代表企業を務めており、2002年よりごみの安定処理を通じて、同地域における安全・安心な市民生活に貢献してきた。

 同事業は、この君津地域広域廃棄物処理事業が2026年度に終了することに伴い、現行の君津地域4市に、鴨川市・南房総市及び鋸南町を加えた7自治体が新たに行う、一般廃棄物処理施設の整備・運営事業となる。また、同事業はPFI方式が採用され、PFI法第6条に基づく「民間提案制度」※2 が、全国で初めて一般廃棄物処理PFI事業で活用された事例となる。

■事業の特長は、以下の通り。

1.7自治体の共同発注方式による広域事業であるとともに、民間の資金、経営ノウハウを活用するPFI方式で、事業用地提案・環境影響評価・施設の建設・運営・解体まで包括的に民間委託。

2.最新型の”低炭素型”シャフト炉式ガス化溶融炉を採用し、温室効果ガス排出量を大幅に削減。

3.ごみ処理の余熱を回収して高効率な発電を行い、エネルギーを有効活用

4.溶融処理の過程で産出されるスラグ・メタルを資源化し100%有効活用することで、最終処分量を最小化。

5.高温溶融処理により、災害時の多種多様なごみを安定処理。

 今回の受注に伴い、日鉄エンジニアリングのシャフト炉式ガス化溶融炉の国内受注は、累計47件となる(千葉県内では5件目)。また、PFI手法による一般廃棄物処理施設の整備運営事業としては15件目、このうちBOO方式は2件目であるとともに、一般廃棄物処理PFI事業における全国初の更新例となる。

 今後も、長年培った豊富な経験と一般廃棄物処理PFI事業運営のノウハウを活かし、地域のニーズに合致した、ごみ処理事業のトータルソリューションを提供していく。

<事業概要>

事業名称:第2期君津地域広域廃棄物処理事業

発注者:木更津市・君津市・富津市・袖ケ浦市・鴨川市・南房総市及び鋸南町

事業主体:株式会社上総安房クリーンシステム(特別目的会社)

所在地:千葉県富津市

出資者 (2020年 10月現在):日鉄エンジニアリング(株)(代表企業)・ 鹿島建設(株) ・(株)広築・(株)市川環境エンジニアリング

※7自治体が 2020年度中を目途に 出資予定

総事業費:74,600,000,000 円(税抜)

事業方式:PFI事業(BOO方式※3)

事業用地:千葉県富津市新富21-3(日本製鉄株式会社 所有地)

事業スケジュール

環境影響評価・設計・建設期間:2020年10月~2027年3月(6年6ヶ月)

運営・維持管理期間:2027年4月~

施設概要:シャフト炉式ガス化溶融炉※4 477t/日(159t/日X3炉)

 画像:完成予定図

※1 株式会社 かずさクリーンシステム(所在地:千葉県木更津市)は、君津地域 4市及び日鉄エンジニアリングを含む民間企業 3社が共同出資し運営している君津地域広域廃棄物処理事業の特別目的会社 。

※2 PFI 法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)第 6条にて、公共側の負担軽減と民間活力の一層の活用を図るため、民間が実施しようとする事業に関し、実施方針等を公共に提案できる制度。

※3 BOO方式とは、建設(Build)、所有(Own)、運営(Operate)の略。民間が設計・建設・運営維持管理をし、施設所有も民間に委託する方式。

(建設および運営にかかる資金を、プロジェクトファイナンスにて調達。)

※4 シャフト炉式ガス化溶融炉は、廃棄物を約 1800℃の高温で溶融処理し、安定・確実に処理するシステム。

 ニュースリリース