日揮ホールディングスは10月2日、海外EPC事業会社である日揮グローバルが今年8月に受注内示を受けたイラク石油省傘下の国営石油精製会社(南部精製公社)向けバスラ製油所近代化プロジェクトに関し、 イスマイール イラク石油相、ナジム イラク計画相のほか、在イラク日本大使館等日本政府関係者、日揮グローバル 山﨑社長などが参加し、10月1日(現地時間)にイラクの首都バグダッドで契約調印式が実施されたと発表した。
バスラ製油所近代化プロジェクトは、既存のバスラ製油所の隣接地に、流動接触分解装置、減圧蒸留装置、軽油脱硫装置などを新設するもの。現在イラクは、世界有数の産油国でありながら、1970年代に建設された現在操業中の2つの製油所は、戦災や老朽化により生産能力が低下しており、国内の石油製品需要を賄えず、ガソリン等の石油製品を輸入せざるを得ない状況となっている。同プロジェクトの完成によって、1.9万バレル/日のガソリン、3.6万バレル/日の軽油が増産され、石油製品の需給ギャップを減少させることが可能になり、ひいてはイラクの復興に大きく資することになる。
案件の資金は、国際協力機構(JICA)の円借款融資により調達され、2003年のイラク戦争後の日本による対イラク復興支援としては最大規模となる。
プロジェクトの遂行に際し、日揮グループは延べ1,000人以上のイラク人に対する技能研修の実施と、約7,000人のイラク人技能労働者の雇用を予定。さらに、プロジェクト完工後には操業要員として2,000人以上の雇用創出効果が見込まれており、イラクにおける失業問題の解決にも貢献するものと考えている。
日揮グループは、本プロジェクトを成功裏に完工することで、イラクの復興と経済発展に寄与する。
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