クボタ、スロベニアのアグリテック企業に出資

・果樹栽培等における害虫発生予測サービスのEfos社

 ㈱クボタは9月30日、AIによる画像分析を活用した害虫発生予測サービス”Trapview”を手掛ける、スロベニアEfos社に出資したと発表した。クボタはこの出資により、果樹栽培におけるトータルソリューションの実現を目指していく。

 クボタは、社外パートナーとの連携によるオープンイノベーションの推進部門として昨年6月に「イノベーションセンター」を立ち上げた。各地域のニーズにきめ細かく対応するため、現在は日本とオランダの2か所に設置されている。

 クボタはこれまでに3社のスタートアップ企業への出資を完了し、先進のアグリテックやビジネスモデルへの知見を深め、農業分野でのソリューション事業の開発を加速させている。特に果樹や野菜の栽培は、穀物栽培などに比べて機械化が進展しておらず、今後の成長が期待される分野である。

 Trapviewは、果樹などの収穫量に大きく影響する”害虫駆除”に関する先進的なサービス。農場内に設置した害虫を捕獲・撮影する装置から送られる画像を、AIのアルゴリズムで解析して害虫の発生を予測する。効果的な害虫駆除のためには、害虫の成長段階に応じた種類の農薬を適切なタイミングで散布する必要があるが、害虫は成長が早くタイミングを合わせるのは困難。Trapviewでは膨大な害虫データベースと気象情報を組み合わせることで、高い精度での予測を可能にし、生産者のタイムリーで適切な対応をサポートすることができる。

 今回の出資により、クボタが注力する果樹栽培分野において、病害虫監視・予測の技術を用いたソリューション事業を推進し、農作業の省力化・効率化に貢献していく。

<出資先の概要>

会社名:Efos

会社設立:2007年

所在地:スロベニア フルシェビエ

事業内容:害虫捕獲及び撮影用の装置と、AI技術を活用したアルゴリズムによる画像分析からなるサービスなどを提供

 ニュースリリース