・注目度の高いゴワヌス運河で工事。圧入技術の知名度向上に期待
㈱技研製作所(本社:高知市)は9月25日、同社が製造販売する杭圧入引抜機「サイレントパイラーⓇ」によるインプラント工法Ⓡが、米ニューヨーク市のゴワヌス運河の護岸改修工事に採用され、工事が進んでいることを発表した。案件は、グループ会社のGiken America Corporation(本社:ニューヨーク市、以下、技研アメリカ)がエンジニアリング企業として設計会社、元請業者に提案し、採用に至ったもの。
ゴワヌス運河は「全米で最も汚染された運河の一つ」と言われており、護岸の老朽化も深刻化している。現地では多くの建設コンサルタントが河川再生事業の一環で土壌や水質、護岸の健全度を調査しており、建設関係者や地元住民の関心を集めている。注目度の高い運河において実際の施工を通じてインプラント工法Ⓡの優位性をアピールすることで、圧入技術の認知度向上と採用拡大が進むことを期待している。
■運河と工事の概要
ゴワヌス運河は100年以上前に築造されたが、現在に至るまで補修されていない護岸もあり、木杭の腐食やコンクリートのたわみによる崩落や破損が近年相次いでいる。また運河沿いは工場が建ち並ぶ工業地区。運河は工場の汚染水が流入するなどして水質汚染が進んでいる。
インプラント工法Ⓡによる工区は260m。既存護岸の前面に、サイレントパイラーⓇF401-1400による単独圧入でZ形鋼矢板(長さ15.7~20.9m)を380枚圧入し、新しい遮水壁護岸を構築する。この護岸には工場側から河川への汚染水の流入を防ぎ、水質汚染を食い止める効果もある。
■採用理由
工場群は運河のすぐそばに建ち並んでいることから振動、騒音対策が求められていた。 発注者は2018年、工事が周辺環境に及ぼす影響を調査するため別工区で試験施工を行い、打撃、振動式の杭打ち機による工法と圧入機によるインプラント工法Ⓡを比較した。その結果、インプラント工法Ⓡは無振動、無騒音の特長に加え、地盤や周辺構造物への影響を最小限に抑えられる優位性が認められ、採用につながった。施工精度の高さも採用を後押した。
■今後の期待
2.9㎞に及ぶ改修対象区間では今後もインプラント工法Ⓡの採用が見込まれている。また、現在は改修対象となっていない護岸でも今後、改修事業が進められる見通し。これからも技研アメリカを通じて工法採用を実現していくことで、インプラント工法Ⓡの優位性を現地で継続的にPRできることを期待している。
<事業概要>
工事名:Fulton Municipal Works Former MGP Site (MGP: Manufactured Gas Plant)
(フルトン ミュニシパル ワークス フォーマー MGP サイト)
工事場所:Brooklyn, New York (ニューヨーク市ブルックリン区)
発注者:National Grid plc (ナショナル・グリッド)
元請業者:Posillico Inc.(ポシリコ社)
施工者:Posillico Inc.(ポシリコ社)
使用機材:サイレントパイラー® F401-1400(技研アメリカがレンタル提供)
杭材型式・寸法:Z形鋼矢板 AZ46-700N, L=15.7m、20.9m 190ペア(380枚)
圧入工工期:2020年3月から9月 (分割施工)
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