・風車の大型化に伴うより高所での作業と部材重量増に対応し、狭小地での施工が可能に
鹿島建設は9月23日、風力発電所の施工に風車用タワークレーンを国内で初めて適用し、これまで困難だった狭小地での大型風車の施工に成功したと発表した。
鹿島は、風車用タワークレーンを積極的に導入することで、今後益々高くなり、大型化する風車の建設に対応し、顧客の風力発電事業における収益向上に貢献するとともに、再生可能エネルギー施設の建設を通じて、低炭素社会への移行に積極的に貢献していく。
風力発電所の風車は、発電量の増強を目的に、風車のハブ(軸と羽根の連結部分)の位置をより高く、ローター面積(羽根の回転円の面積)をより大きくする傾向にある。一方近年は、これまで開発が許されなかった国有林・保安林を含む山岳地での計画が増え、周辺環境への影響を最小限に留めるためにも、開発面積や造成土量を縮減する施工方法が求められている。
今回適用した風車用タワークレーンは、最大作業高さ150m、最大吊上げ荷重140トンの能力を有するため、大型風車の施工に対応可能です。重量のある部材をユニット化して高所に揚重できるため、従来分割して行っていた揚重作業と高所での部材組立作業を削減し、安全な風車組立を実現する。また、これまで風車の施工に一般的に使われてきた移動式クレーンなどと比較して、作業半径を半分以下にできるため、狭小地での施工に適しており、環境への影響を最小限に留めることができる。
<風車用タワークレーンを適用した工事の概要>
工事名:いちご米沢板谷ECO発電所建設工事
工事場所:山形県米沢市板谷
発注者:いちごECOエナジー株式会社
施工者:鹿島建設株式会社 東北支店
規模:2MWクラス風車×4基
工期:2018年9月~2021年1月
<タワークレーンの概要>
所有者:株式会社TAリフト( 東光電気工事株式会社とアチハ株式会社による合弁会社)
製造者:株式会社北川鉄工所
最大作業高さ:地上150m
最大吊上げ荷重:140トン
基礎形式:十字アウトリガー形式