三菱重工、ENEOSと製油所向けプラント巡回点検防爆ロボットの共同開発契約を締結

・EX ROVRの実用化に向けた第二世代機が対象

・2018年4月に結んだ“共同研究契約”に続く取り組み、プロトタイプ機によるフィールド実証を踏まえ

・マニュピレーター実装やソフトウェア改良により、ユーザビリティを向上させ実用段階へ

 三菱重工業は9月10日、ENEOSと、引火性ガスの中でも自らが出す電気火花や熱などで爆発や火災を引き起こす危険性を抑えた防爆性能を有するプラント巡回点検防爆ロボット”EX ROVR(エクス ローバー)”の実用化に向けて第二世代機を共同で開発していくことで合意したと発表した。両社が2018年4月に締結した「防爆型現場監視ロボットのフィールド適用可能性に係る共同研究契約」に続く取り組みとなる。

 三菱重工は、2019年度までの共同研究契約においてENEOSと共同で、すでにプロトタイプ機による製油所内での複数階層間移動を含めた自律巡回走行ならびに各種センサーによるデータ取得をフィールド実証を通じて行っており、プラント巡回点検ロボットが具備すべき基本的な機能要件は満たしていることを確認している。さらに今回の開発では、計器に正対して撮影するためのマニピュレーターの実装やソフトウェア改良などにより、現場より取得するデータの量と質を向上させるとともに、顧客のユーザビリティを高め、防爆機能を持つロボットとしてさらなる実用化を目指す。

 防爆プラント巡回点検ロボットは、三菱重工が原子力発電プラント事故収束支援活動などで成果を挙げたロボットの技術などをベースに開発しているもの。日本における国内防爆指針および欧州をはじめ世界で広く採用されている防爆認証のATEX/IECEx(注)に適合した防爆設計で、可燃性ガスのある危険場所(Zone1)で安全に使用することができる。

 三菱重工は、防爆ロボット技術を活用した新たなソリューション提案を通じ、プラントの安全性・生産性向上に貢献していく。

(注)IECExは、爆発性雰囲気下で使用する機器の認証に関する国際システムで、その品質評価規定はIEC(国際電気標準会議)が作成した規格に基づいている。ATEX指令は、IECExをベースに、爆発性雰囲気下で使用する機器および保護システムをEU(欧州連合)市場に投入するまでに適用しなければならない安全衛生上の必須要件および適合性評価手順について定めたもの。どちらも同じ規格に沿っているため、技術的内容について基本的な違いはない。

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