技研製作所、米NYのマンション建設に圧入工法

・現地コンサルタントと結んだ協働契約が奏功

 ㈱技研製作所(本社:高知市)は9月9日、同社が製造販売する杭圧入引抜機「サイレントパイラーⓇ」による圧入工法が、米ニューヨーク市の複合型マンション建設事業に採用され、工事を完了したと発表した。同案件では、グループ企業・Giken America Corporation(本社:ニューヨーク市、以下、技研アメリカ)と協働契約を結ぶ建設コンサルタントのMRCE社(本社:ニューヨーク市)が設計を担った。MRCE社との協働により、米国内における圧入技術の認知と工法普及は着実に進んでいる。

■工事内容

 建設中の建物は1階部分が商業施設となっている地上13階、地下1階建ての複合型マンション。圧入工法が採用された工事は地下室を建設するために土留め壁※を構築するもの。サイレントパイラーⓇF401-1400による単独圧入で長さ15.2mのZ形鋼矢板190枚を圧入し、延長133mの土留め壁を構築した。

※ 地盤を掘削する際に、周囲から土砂が崩れてくるの を防ぐために設ける壁のこと。

■採用理由

 現場は住宅街の中に位置している上、近くに地下鉄が通っている。住民や鉄道への影響を避ける観点から、無振動、無騒音で施工できる圧入工法が評価され、採用に至った。

■今後の期待

 技研アメリカは2018年9月、MRCE社と圧入技術の普及拡大に向けた協働契約を結んだ。同社は100年以上の歴史を誇る権威あるコンサルタント。両社の協働で圧入工法が米国で採用されたのは本件で2例目。直近1年間に技研アメリカに寄せられた圧入技術に関する問い合わせは、MRCE社と契約を結ぶ前に比べて約3倍に増えるなど、協働は確実に効果を上げている。技研グループは引き続き、MRCE社などとの連携を通じて米国内での工法普及に尽力していく。

<工事概要>

工事名:1998 2nd Avenue (1998 セカンドアベニュー)

工事場所:Manhattan, New York (ニューヨーク市マンハッタン区)

発注者:Second and 103, LLC (セカンドアンド103)

元請業者:Simpson & Brown, Inc.(シンプソンアンドブラウン社)

施工者:Simpson & Brown, Inc.(シンプソンアンドブラウン社)

使用機材:サイレントパイラーⓇ F401-1400(技研アメリカがレンタル提供)

杭材型式・寸法:Z 形鋼矢板 AZ19-700, 50 ft (15.2m), 95 ペア(190 枚)

圧入工工期:2020年6月23日から7月16日

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