日立建機、自律型建設機械向けシステムプラットフォーム「ZCORE」を開発

 日立建機は8月19日、同社が思い描く「人と機械が協調する」将来の施工現場において、安全性と生産性の向上を図るため、自律型建設機械の開発と機能拡張を容易にするシステムプラットフォーム「ZCORE」(ズィーコア)を開発したと発表した。

 ZCOREは、施工現場でオペレータが作業時に行っている、「認識・判断・実行」を、機械システムが行えるようにしたもの。

 ZCOREは、車体に取り付けられたさまざまなセンサーや、通信ネットワークから情報を収集し、判断する「情報処理プラットフォーム」と、その判断に従って建設機械の油圧機器や動力機器を適切に動かす「車体制御プラットフォーム」で構成された機能拡張性の高いシステムプラットフォーム。ZCOREを用いることで、日立建機は、迅速に自律型建設機械を開発し、また顧客のニーズに応じて、容易に機能拡張することができる。今後、油圧ショベル、ホイールローダ、ダンプトラックなど、日立建機が開発する自律型建設機械に、ZCOREを適用していく。

 建設業においては、生産労働人口の減少、熟練技能者の高齢化を背景として、省人化による生産性の向上が課題となっている。その解決策のひとつとして、自律運転する建設機械の開発に期待が寄せられているが、自律型建設機械を実現する上で、周囲で働く人々の安全性も確保する必要がある。

 日立建機が思い描く将来の施工現場は、人と機械が協調して働く現場。人と機械、機械と機械、機械と施工現場環境とが相互に情報をやり取りし、施工現場全体の安全性の向上、生産性の向上を図る「協調安全」の現場の実現をめざしている。そのためには、協調安全の中で自律運転する「協調型建設機械」が必要となる。ZCOREは協調安全と、高度な自律運転の両立を実現するためのシステムプラットフォーム。

 日立建機グループは、これまでも、「機械」を進化させ、豊かな生活空間をつくる「ひと」と「作業」の関係を、より快適に、より高度に、より効率的なものとする取り組みを続けてきた。今後、長年、培ってきた油圧技術と、最新の情報処理技術を活用した自律型建設機械の開発を推進し、顧客の求める、より高い安全性と生産性の向上に貢献していく。

 ZCOREを適用したプロトタイプ機の動画は、ニュースリリース