㈱加藤製作所が8月7日に発表した2021年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、新型コロナウイルス感染症の影響で各市場での需要減少により、売上高は115 億6 千6百万円(前年同期比64.1%)となり、前年同期を大幅に下回った。損益については、営業損失は7 億1 千万円(前年同期は営業利益3 億9 千2 百万円)、経常損失は5 億4 千4 百万円(前年同期は経常利益3 億6 千1 百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は4 億7 千5 百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益3 千9 百万円)となった。(数値表記は原文尊重)
4~6月期における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向け、政府が緊急事態宣言を発出し、外出自粛や休業を通じて企業活動が制約され、景気は急速に悪化し、厳しい状況となった。また、緊急事態宣言解除後も景気回復の見通しは立たず、先行き不透明な状況が続いている。海外も新型コロナウイルス感染症が世界的な規模で拡大し、各国の都市封鎖により企業活動が大きく制約された。中国では経済活動の再開により一部で回復が見られたものの、米国や欧州では景気の悪化により消費が減速し、各国の経済に深刻な影響を及ぼしている。
このような状況下、加藤製作所グループは、新型コロナウイルス感染症対策として、時差通勤や在宅勤務などを取り入れ、従業員及び関係者の健康と安全を守ることを最優先とし、企業活動を行っている。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、十分な営業活動・生産活動が行えず、出荷量及び生産量が落ち込む厳しい状況となった。
■セグメント別状況
<日本>
国内向け建設用クレーンは、新型コロナウイルス感染症の影響で設備投資意欲に歯止めがかかり、需要が減少し売上高は大幅に減少した。海外向けの建設用クレーンは、台湾、インドネシアへの輸出が増加したものの、売上高は前年並み。油圧ショベル等は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言で一部現場の停止や延期などによる先行き不透明感から購入意欲の減退、また営業活動の制約により油圧ショベル等の売上高は大幅に減少した。
日本の売上高は98 億4 千3 百万円(前年同期比65.9%)、セグメント損失は8億5 千9 百万円(前年同期はセグメント損失2 億6 千1 百万円)となった。
<中国>
中国の油圧ショベル等は、新型コロナウイルス感染症の影響で都市封鎖されていたが、経済活動の再開により一部で回復が見られたものの需要が減少し、売上高は大幅に減少した。
売上高は16 億9 千2 百万円(前年同期比53.0%)、セグメント利益は2 億3 千1 百万円(前年同期比34.0%)となった。
<その他>
その他は、新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動及び生産活動が停滞したことで売上高は大幅に減少した。
その他の売上高は6 億2 千8 百万円(前年同期比65.3%)、セグメント損失は1 億1 千6百万円(前年同期はセグメント損失1 億6 千8 百万円)となった。
■主要品目別売上状況
<建設用クレーン>
国内は、新型コロナウイルス感染症の影響で中古市場の動きが鈍く、設備投資意欲に歯止めがかかり、需要は減少した。国内建設用クレーンの売上高は53 億9 千9 百万円(前年同期比59.0%)となった。
海外は、台湾やインドネシアへの輸出は増加したものの、新型コロナウイルス感染症の影響で全体の売上高は前年並み。海外建設用クレーンの売上高は9 億6 千2 百万円(前年同期比98.6%)となった。
建設用クレーンの売上高は63 億6 千1 百万円(前年同期比62.8%)となった。
<油圧ショベル等>
国内は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言で一部現場の停止や延期などによる先行き不透明感や、中古市場の低迷による新車購入意欲の減退により需要が大幅に減少した。
国内油圧ショベル等の売上高は21億4 千3 百万円(前年同期比76.3%)。海外では、中国は新型コロナウイルス感染症の影響で都市封鎖されていたが、経済活動の再開により一部で回復が見られたものの需要が大幅に減少した。また、ヨーロッパにおいても新型コロナウイルス感染症の影響により、営業活動及び生産活動が停滞したことで売上高は大幅に減少した。
海外油圧ショベル等の売上高は29 億1 千7 百万円(前年同期比60.6%)。
油圧ショベル等の売上高は50 億6 千万円(前年同期比66.4%)となった。
<その他>
その他の売上高は1 億4 千3 百万円(前年同期比50.5%)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2021 年3 月期第2 四半期累計期間(4~9月)の連結業績予想は、売上高310億円(前年同期比26.0%減)、営業利益△11億円、経常利益△11億円、親会社株主に帰属する当期純利益△10億円の見通し。
新型コロナウイルス感染症の影響により、国内の景気回復の見通しは立たず、先行きは不透明な状況が続いている。海外も新型コロナウイルス感染症が世界的な規模で拡大し各国の企業活動が大きく制約されており、世界経済に深刻な影響を及ぼしている。このような状況下、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、需要の回復は遅れるものと見込んでいる。生産調整や経費節減に努めているが、売上高が大幅な減少となり、損失を計上する見込みとなった。
なお、2021 年3 月期の通期連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響を合理的に算定することが困難であるため未定としている。今後、通期連結業績予想の算定が可能となった時点で速やかに公表する。
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