井関農機、20年1~6月売上は6.8%減の722億円、通期予想は3.6%減の1,445億円

 井関農機が8月6日に発表した2020年12月期第2四半期連結累計期間(1~6月)連結業績によると、売上高は前年同期比5,307百万円減少し、72,245百万円(前年同期比6.8%減少)となった。

 国内においては、補修用部品および修理整備等のメンテ収入が堅調に推移したほか大型物件の完成のあった施設工事が増加となった一方、消費増税後の不透明な需要環境に加え新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う展示会の中止など営業活動の自粛等により農機製品などが減少し、国内売上高は前年同期比2,718百万円減少の57,249百万円(前年同期比4.5%減少)となった。

 海外においては、中国向けの田植機半製品や韓国向けのトラクタ・コンバインの出荷が伸びた一方、北米向けは一部商品に搭載の仕入エンジン入荷遅れが発生したことなどからトラクタ出荷が減少、欧州では為替影響に加え新型コロナウイルス感染症対策として現地代理店店舗が一時閉鎖されたことから出荷調整を行い減少、アセアンはインドネシア向けトラクタの出荷減少などにより、海外売上高は前年同期比2,588百万円減少の14,995百万円(前年同期比14.7%減少)となった。

 営業利益は、販管費の削減があったものの減収による粗利益減少に加え仕入エンジンの入荷遅れに伴う部品在庫の評価損の計上等により、前年同期比367百万円減少の1,270百万円(前年同期比22.4%減少)となった。経常利益は、為替差損や持分法投資損失の縮小等により前年同期比218百万円増加の1,068百万円(前年同期比25.8%増加)、税金等調整前四半期純利益は、中国の持分法適用関連会社の出資比率減少に伴う持分変動利益の計上等により前年同期比815百万円増加の1,607百万円(前年同期比103.0%増加)となった。親会社株主に帰属する当第2四半期純利益は、前年同期比314百万円増加の979百万円(前年同期比47.3%増加)となった。(数値表記は原文尊重)

 1~6月期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響から、政府の緊急事態宣言等による経済活動の自粛など、厳しい状況が続いた。海外についても、同感染症拡大に伴い各国政府等による営業規制を含むロックダウンが広がるなど経済活動の抑制を受け、世界経済全体で総じて厳しい状況となった。このような状況の中、井関農機グループは、国内においては新商品の投入や顧客対応の充実など農業構造変化への対応強化、海外においては主力市場である北米、欧州、中国、アセアンでの販売強化に努めてきた。

 井関農機2020年第2四半期データ

■商品別の売上状況

〔国内〕

 整地用機械(トラクタ、乗用管理機など)は13,358百万円(前年同期比11.6%減少)、栽培用機械(田植機、野菜移植機)は5,515百万円(前年同期比10.4%減少)、収穫調製用機械(コンバインなど)は4,325百万円(前年同期比19.8%減少)、作業機・補修用部品・修理収入は20,619百万円(前年同期比4.0%減少)、その他農業関連(施設工事など)は13,430百万円(前年同期比13.6%増加)となった。

〔海外〕

 整地用機械(トラクタなど)は10,895百万円(前年同期比19.7%減少)、栽培用機械(田植機など)は1,301百万円(前年同期比27.4%増加)、収穫調製用機械(コンバインなど)は887百万円(前年同期比19.1%増加)、作業機・補修用部品は1,358百万円(前年同期比9.1%減少)、その他農業関連は553百万円(前年同期比26.2%減少)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、国内外で井関農機グループの事業活動への様々な制約から業績への影響が出ている。当期(2020年1月1日~2020年12月31日)の業績予想については、同感染症による井関農機グループの事業活動に与える影響を合理的に算定することが困難だったことから、5月15日に一旦取下げ、「未定」としたが、今回、現時点で入手可能な情報や予測等に基づき連結業績予想を公表するものである。

 井関農機では、翌期の前半には同感染症は収束する仮定のもと、国内外で経済活動の再開が進んでいることを踏まえ、当期の第3四半期以降井関農機グループの販売は徐々に回復するものと想定している。一方、利益面では、足許の流通在庫の増加を受けた在庫調整の実施を織込み、2020年12月期連結業績予想を以下の通り算定している。

 売上高1,445億円(前期比3.6%減)、営業利益11億円(同59.9%減)、経常利益2億円(同82.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2億円(同72.3%減)。

 なお、上記業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づき算定したものであり、様々な要因により変動する可能性がある。また配当予想については、同感染症による経済的影響の不確実性を考慮し、引き続き未定としている。

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