㈱牧野フライス製作所が7月31日に発表した2021年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、売上高235億44百万円(前年同期比33.7%減)、営業損失24億26百万円、経常損失17億88百万円、純損失19億99百万円となった。
連結受注は258億円4百万円(前年同期比42.0%減)と、大幅に減少した。前年同期に比べ、米中貿易摩擦などにより全地域で顧客の設備投資が低水準であることに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により、中国を除く地域で営業活動が停滞したことによる。(数値表記は原文尊重)
<セグメントⅠ> (「個別」および国内連結子会社)
牧野フライス製作所の国内受注は、前年同期を下回った。自動車の金型向けや、前年同期に受注がまとまった航空機向けが減少した。第2四半期は、第1四半期と同様に厳しい状況が継続すると見ている。政府の補助金等の施策が設備投資を後押しすることを期待している。
<セグメントⅡ> ( MAKINO ASIA PTE LTD )
アジアの全地域で前年同期を下回った。中国は、前年同期比で受注が減少したが、前四半期比では増加した。新型コロナウイルスに対する政府の規制が緩和されたことに伴い、PCやスマートフォン関連の金型向けをはじめ、自動車や一般機械の部品加工向けなど、幅広い産業で受注が集中した。第2四半期の中国は、緩やかな回復をすると見ている。自動車向けを中心に、抱えている引き合いを着実に獲得することで、受注の回復に努める。インドおよびアセアン地域は、前年同期を下回った。受注回復に時間がかかるとみている。
<セグメントⅢ> ( MAKINO INC. )
前年同期を下回った。前年度下期から減少傾向が継続しており、自動車、航空機ともに低迷した。第2四半期も、厳しい状況が続く見通しです。その中でも比較的堅調な医療、半導体製造装置、SUVやピックアップトラック向けの受注獲得に努める。
<セグメントⅣ> ( MAKINO Europe GmbH )
欧州は前年同期を下回った。前年同期にまとまった受注のあった航空機向けが大きく減少した。第2四半期も厳しい状況が続く見通し。
■今後の見通し
牧野フライス製作所の受注計画は、下期にかけて、新型コロナウイルスによる問題が改善に転じ、受注が回復する前提に基づいている。第1四半期は、先述したセグメント別の受注状況の通り、おおむね期初に想定した計画に沿って推移したと判断している。第2四半期以降、新型コロナウイルス感染の第2波や、米中の貿易摩擦のさらなる拡大があった場合、受注の回復が遅れる懸念がある。
この中で、牧野フライス製作所は顧客の既存設備の間を自律走行し、人による作業の自動化を実現する製造支援モバイルロボット「i-Assist」を国内で7月より販売開始した。今後拡大するとみている自動化のニーズに応えるべく、さまざまな新技術の開発を進めている。
2021年3月期連結業績は、売上高1,135億円(前期比28.8%減)、営業利益△71億円、経常利益△65億円、親会社株主に帰属する当期純利益△69億円。
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