住友重機械工業が7月31日に発表した2021年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、受注高は、機械コンポーネント、精密機械及び建設機械の部門で減少し、前年同期比9%減の1,747億円、売上高は、産業機械及び環境・プラントの部門を除く全ての部門で減少し、同12%減の1,807億円となった。損益面では、機械コンポーネント、建設機械及び船舶の部門で減少し、営業利益は同48%減の70億円、経常利益は同57%減の57億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同71%減の26億円となった。
4~6月期における経営環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、国内は緊急事態宣言の発出により諸活動の停滞が見られ、海外はパンデミックによるロックダウンやそれに伴う経済状況の低落が見られるなど、機械需要は全世界的に下降局面を迎えることとなった。また、これに加え、米中貿易摩擦の深刻化、地政学上のリスクの継続及び原油価格の変動と低迷など、不透明感も増すことになった。
このような経営環境のもと、同社グループは、従業員の安全確保や社会的要請への最大限の協力など新型コロナウイルス感染に対する対処を進め、罹患者発生時における生産維持などの短期的なBCP(事業継続計画)の実現や受注減少局面での事業維持、工場操業の確保などに取り組んできた。
■各部門別の状況(カッコ内は前年同期比)
<機械コンポーネント部門>
世界的に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、受注、売上ともに減少した。また、売上が減少したことで営業損失となった。この結果、受注高は329億円(4%減)、売上高は284億円(11%減)、営業損失は2億円となった。
<精密機械部門>
プラスチック加工機械事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、中国の電気電子関連の需要が低迷したことや、世界的に自動車関連の需要が減少したことから、受注、売上、営業利益ともに減少した。その他精密機械事業は、半導体関連の需要が堅調で、受注は前年同期比で減少したものの、売上、営業利益は増加した。この結果、受注高は336億円(21%減)、売上高は383億円(9%減)、営業利益は36億円(5%増)となった。
<建設機械部門>
油圧ショベル事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け海外の需要が減少したことから、受注、売上、営業利益ともに減少した。建設用クレーン事業も、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け需要が減少したことや、原油価格低迷により北米地区の需要が減少したことにより、受注、売上、営業利益ともに減少した。
この結果、受注高は501億円(29%減)、売上高は523億円(26%減)、営業利益は11億円(81%減)となった。
<産業機械部門>
運搬機械事業は、大型案件の受注が増えたことなどから受注、売上、営業利益ともに増加した。その他産業機械事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け受注活動が停滞したことなどから受注、売上ともに減少したが、売上機種構成の変化で営業利益は増加した。この結果、受注高は213億円(4%増)、売上高は222億円(22%増)、営業利益は19億円(188%増)となった。
<船舶部門>
船舶市況は引き続き低迷しているが、当第1四半期は前年同期比1隻増の1隻の新造船を受注した。引渡しは前年同期比1隻増の1隻でしたが、船舶修理案件が減少したことで売上は減少し、営業損失となった。
この結果、受注高は79億円(79%増)、売上高は76億円(20%減)、営業損失は12億円となった。
<環境・プラント部門>
エネルギープラント事業は、欧州でバイオマス発電設備の大型案件を受注したことなどから受注は増加し、主に国内で受注残があったことから売上、営業利益ともに増加した。水処理プラント事業は、排水処理装置の案件が前年同期に比べ減少したことなどから受注は減少したが、受注残があったことから売上、営業利益は増加した。この結果、受注高は276億円(55%増)、売上高は305億円(2%増)、営業利益は14億円(63%増)となった。
<その他部門>
受注高は13億円(35%減)、売上高は14億円(9%減)、営業利益は3億円(28%増)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2021年3月期の業績見通しについては、受注後リードタイムが短い機械コンポーネント、精密機械及び建設機械部門を中心に、世界各国の新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けているが、現時点においても不確定要素が多く合理的な算定が困難であるため、2021年3月期の連結業績予想は未定。今後、業績予想の算定が可能となった時点で速やかに開示する。
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