タダノ、20年4~6月売上は買収で7%増の432億円だが、10億円の純損失

 ㈱タダノが7月31日に発表した2021年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、売上高は、432 億1千3百万円(前年同期比107.0%)、海外売上高比率は60.5%となった。うち、日本向け売上高は、建設用クレーン・車両搭載型クレーン・高所作業車が揃って減少し、170 億7千1百万円(前年同期比80.4%)。海外向け売上高は、2019 年7月31 日に買収を完了したDemag ブランドのクレーン事業連結により、米州・欧州において増加し、261 億4千1百万円(前年同期比136.5%)となった。

 売上増加の一方で、Demag 製品を中心とした構成の変化により売上原価率は悪化、また経費削減に努めたものの、Demag 事業連結の影響で販売費及び一般管理費は増加した。営業利益は5億6千9百万円の損失(前年同期14 億4千万円の利益)、経常利益は7億9千6百万円の損失(前年同期13億5千6百万円の利益)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は10 億5百万円の損失(前年同期6億3千9百万円の利益)となった。(数値表記は原文尊重)

 タダノ2021年3月期第1四半期データ

 4~6月期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、設備投資や輸出は低迷し、景気は極めて厳しい状況にある。海外においては、経済活動の再開が段階的に進む一方で、新型コロナウイルスの感染拡大、原油価格の低迷や点在する地政学的リスクもあり、景気は極めて厳しい状況にある。タダノの関連業界は、日本では、緊急事態宣言発令に伴う建設工事中断等で稼働は一時的に低下し、需要は大幅に減少。海外では、各国政府のロックダウン等の影響を受け、全ての地域で需要が減少した。

 また、2018 年1月19 日に公表した米国排ガス規制の緩和措置に関する自己申告については、現在、米国当局(環境保護庁・司法省)との協議が進行中。協議の終了時期は見通せていないが、今後、開示が必要な事由が判明次第、適時適切に対応する。なお、現在は、最も厳しい規制に適合するエンジンを搭載した建設用クレーンのみを販売しており、北米での販売に影響は出ていないとしている。

■セグメント別状況

1)日本

 日本向け売上は、建設用クレーン・車両搭載型クレーン・高所作業車が揃って減少した。また、海外向け売上も減少し、その結果、売上高は281 億3千7百万円(前年同期比76.3%)、営業利益は21 億7千9百万円(前年同期比48.3%)となった。

2)欧州

 建設用クレーン売上は、建設用クレーンの需要が減少する中、Demag 事業連結により、売上高は171 億8百万円(前年同期比164.6%)、営業利益は16 億3千万円の損失(前年同期5 億3千万円の営業損失)となった。

3)米州

 建設用クレーンの需要が減少する中、Demag 製品の寄与もあり、売上高は115 億2千7百万円(前年同期比197.4%)、営業利益は2億4千7百万円(前年同期1千1百万円の営業損失)となった。

4)その他

 建設用クレーンの需要が減少する中、売上高は31 億4千5百万円(前年同期比65.6%)、営業利益は8千9百万円の損失(前年同期は2億1千1百万円の営業利益)となった。

■主要品目別の状況

1)建設用クレーン

 日本向け売上は、需要が減少する中、59 億1千3百万円(前年同期比76.5%)となった。海外向け売上は、すべての地域で需要が減少する中、Demag 事業連結により米州・欧州において売上が増加し、206 億5千3百万円(前年同期比131.8%)となった。

 この結果、建設用クレーンの売上高は265 億6千7百万円(前年同期比113.6%)となった。

2)車両搭載型クレーン

 日本向け売上は、需要の減少により、39 億1千7百万円(前年同期比76.0%)となった。

 海外向け売上は、3億5千5百万円(前年同期比82.8%)となった。

 この結果、車両搭載型クレーンの売上高は42 億7千3百万円(前年同期比76.5%)となった。

3)高所作業車

 高所作業車の売上高は、レンタル業界向け需要の減少により、31 億4千7百万円(前年同期比78.6%)となった。

4)その他

 部品、修理、中古車等のその他の売上高は、Demag 事業連結により、92 億2千4百万円(前年同期比124.8%)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 2021年3月期第2四半期(4~9月累計)の連結業績予想は、新型コロナウイルス感染症による需要と生産への影響を踏まえ、以下のとおり。

 売上高880億円(前年同期比12.3%減)、営業損失21億円、経常損失25億円、親会社株主に帰属する当期純損失31億円。

 2021 年3月期の通期連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症による影響を適正かつ合理的に算定することが困難なため、引き続き未定とし、今後、算定が可能となった時点で速やかに開示する。

 タダノの2021年3月期第1四半期決算短信

 第1四半期決算説明資料