・新技術 超短納期でシリンダブロック等の自動車部品を試作可能
㈱ソディックは7月15日、超短納期でシリンダブロック等の自動車部品を試作可能な、高速金属 3D プリンタによるアルミ合金造形のベンチマークテストサービスを開始すると発表した。
今回、開始するベンチマークテストサービスは、高速金属3D造形と基準面加工の複合加工を 1 台の機械で実現するソディックの高速金属 3D プリンタ「LPM325」を使って提供するもので、金属粉末にはアルミニウム合金「AlSi10Mg」を使用する。
「AlSi10Mg」は良好な鋳造特性を持ち、鋳造において一般的な合金であり、薄壁で複雑な形状の鋳造部品に広く使用されている。強度、硬さ、力学的特性が良好なことから、高負荷を受ける部品にも使用され自動車関連の試作品用途にも使われている。
ソディックでは高速金属 3D プリンタで使用出来る金属粉末のラインアップの拡充を順次進めており、今回その一環として自動車関連部品に適用できる「AlSi10Mg」に対応した。
すでに、社内でシリンダブロックの試作を行い、1個どりは約24時間、4個どりは86時間で完成、空隙を抑制する独自の造形技術により自動車部品の求める強度/硬さ/力学的特性をクリアできる品質を実現した。
ソディックの高速金属 3D プリンタ「LPM325」は、薄壁で複雑な形状の部品も造形できると同時に、複合加工機能により基準面加工などの 2 次工程を時短できることに加え、多数個高速造形による高効率生産により、短納期での部品試作に対応している。
現在、試作用途のほか、量産品用途としての検証にも取り組んでおり、強度/耐久性に加え、コスト面でも、従来の鋳造によるアルミ製部品から高速金属 3D プリンタへの代替の可能性について研究開発を進めている。
ソディックでは、SUS 系、マルエージング鋼に加え、今回の「AlSi10Mg」のほか、需要の高まる他の金属粉末の拡充を積極的に推進し、高速金属 3D プリンタの応用範囲をさらに広げていく。
なお、高速金属 3D プリンタ「LPM325」のアルミニウム合金「AlSi10Mg」対応仕様機は、製品として別途販売も行い、受注から納品まで約 3カ月。