竹内製作所、2021年第1四半期(3~5月)売上は12.9%減の257億円

 ㈱竹内製作所が7月9日に発表した2021年2月期第1四半期(3~5月)連結業績によると、売上高は257億3千7百万円(前年同期比12.9%減)となった。利益面については、値上げによる増益はあったものの、売上高が減少したこと及び主要通貨が総じて円高に推移したこと等により、営業利益は29億7千6百万円(同23.4%減)となり、経常利益は29億1千1百万円(同22.0%減)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、税金費用を8億5百万円計上したことにより、21億6百万円(同21.4%減)となった。(数値表記は原文尊重)

竹内製作所2021年2月期第1四半期データ

■経営成績に関する説明

 主力市場である米国及び欧州の第1四半期経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により、企業の投資マインドは全世界的に著しく縮小し、外出規制と雇用環境の悪化による個人消費の急速な冷え込みとともに、住宅需要も一気に落ち込んだ。5月に入るとロックダウンの解除など、各国の状況に違いはあれ、欧米先進諸国は段階的な経済活動の再開に動き始めており、景気悪化はいったん底を打った。

 とはいえ、この経済再開は感染再拡大のリスクを伴ったものであり、誰もが全力疾走を控えざるを得ない状況が依然として続いていることに加え、コロナ禍を巡る米中対立の激化、EUと英国の通商交渉の難航など不安材料が台頭しており、経済正常化には相応の時間を要するものと考えられる。

 このような環境下、2020年1月には油圧ショベルの新製品「TB370」を、2020年2月にはクローラーキャリアの新製品「TCR50-2」を市場投入したが、ロックダウンや外出規制により欧米各国の工事は停滞し、竹内製作所グループ、ディストリビューター及びディーラーの営業活動は大きく制限された。この結果、米国、欧州及び竹内製作所グループ全体の販売台数は、前年同期に比べ減少した。

■セグメント別成績

<日本>

 日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められている。2020年1月に市場投入した油圧ショベルの新製品「TB370」が業績に貢献したものの、新型コロナウイルスの影響により欧州ディストリビューター向けの販売台数が減少し、売上高は95億8千9百万円(前年同期比12.6%減)となった。セグメント利益は、欧州ディストリビューター向けの値上げを行ったものの、売上高が減少したこと及び主要通貨が総じて円高に推移したこと等により、18億6千6百万円(同30.8%減)となった。

<米国>

 新型コロナウイルスの影響により、販売台数は減少したが、製品販売価格の値上げ、及びプロダクトミックスの変化等により、売上高はほぼ横ばいの121億4千8百万円(前年同期比0.3%減)となった。セグメント利益は、製品販売価格の値上げ、プロダクトミックスの変化、及び日本セグメントからの製品仕入価格の値下げ等により10億3千万円(同64.7%増)となった。

<英国>

 EU離脱後の通商交渉の不透明感に加えて、新型コロナウイルスによるロックダウンの影響が重なり、販売台数は大きく減少した。また、円高によりポンド建て売上高が為替の影響を受け、売上高は25億2千7百万円(前年同期比40.4%減)となった。セグメント利益は、製品販売価格の値上げ、日本セグメントからの製品仕入価格の値下げ等はあったものの、売上高が減少したことにより1億9千1百万円(同18.7%減)となった。

<フランス>

 フランスでの全国的なストライキの影響と、新型コロナウイルスによるロックダウンの影響により、販売台数は大きく減少した。この結果、売上高は14億6千5百万円(前年同期比28.3%減)となった。セグメント利益は、日本セグメントからの製品仕入価格の値下げ等はあったものの、売上高が減少したことにより7千3百万円(同9.0%減)となった。

<中国>

 新型コロナウイルスの影響により、青島工場の従業員の出社が制限され、減産を余儀なくされたため、固定費率が上昇しセグメント利益を圧迫した。この結果、売上高は6百万円(前年同期比93.0%減)となり、セグメント損失は8百万円(前年同期は2千2百万円のセグメント利益)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 連結業績予想については、2020年4月9日の決算短信で公表した第2四半期連結累計期間及び通期の連結業績予想は以下のとおり変更はない。

 売上高935億円(前年度比19.3%減)、営業利益84億円(同33.6%減)、経常利益84億5,000円(同31.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は61億5,000万円(同32.4%減)。なお、業績予想における外国為替レートは、1米ドル=108円、1英ポンド=128円、1ユーロ=118円、1人民元=15.50円を前提としている。

 竹内製作所の2021年2月期第1四半期決算短信

 第1四半期決算発表参考資料