日本精工(NSK)は7月2日、「電動射出成形機用ボールねじ 耐久試験機1号機」がトライボロジー技術の発展への貢献が認められ、一般社団法人日本トライボロジー学会※1より、トライボロジー遺産※2に認定されたと発表した。
射出成形機の樹脂を押し出す送り駆動は、重荷重を受けるため油圧駆動の使用が一般的だったが、1980年代以降は省エネや環境保護の面から電動化のニーズが高まっていた。さらに樹脂を押し出す際の制御や操作性の良さ、メンテナンスの簡易性に優れることも、射出成形機の油圧駆動から電動化への動きを加速させた。
電動射出成型機の送り駆動に使われるボールねじは、極めて大きな荷重を受け、さらに小ストローク運転で使用されるため、潤滑も含め、ボールねじの耐久性が課題だった。同試験機は、ボールねじの耐久性向上を図るために1990年に製作したもので、試作品の評価から改良までが行えるようになり、その後の電動射出成形機の性能向上及び産業機械の電動化の発展に貢献した。
NSKは、世界トップレベルの技術力によって、今後も安全性、快適性、環境にやさしい社会の実現、産業の発展に貢献していく。
※1:(社)日本トライボロジー学会: 1956年にトライボロジー(相対運動しながら互いに影響を及ぼしあう2つの表面の間におこるすべての現象を対象とする科学技術)に関する技術の向上を目的に設立された。
※2:科学と技術の発展の歴史において、重要な貢献をしたトライボロジーに関係する技術や事物を発掘し保存するために、『トライボロジー遺産』として認定し、情報発信と顕彰を行うことを目的とした賞。
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