ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会は、産学が連携した「未来ロボティクスエンジニア育成協議会(略称:CHERSI」を6月24日付けで正式に設立したと発表した。産業界からは、覚書を締結した川崎重工業、デンソー、ファナック、不二越、三菱電機、安川電機に加え、新たに平田機工を含めたロボットメーカー7社と、FA・ロボットシステムインテグレータ協会が参画し、最新の技術動向、シーズ等を教育機関に提供していく。教育機関等からは(独)国立高等専門学校機構、全国工業高等学校長協会に加えて、新たに(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構も参画する。
具体的な取組として、2020年度上期には、高等専門学校教員向け研修を実施することを予定している。例えば、高等専門学校の教員が、CHERSI会員企業を訪問し最新の技術動向や最新のロボット適用事例を俯瞰することで、産業界の知見を高等専門学校教育に取り入れていく。同年下期は、CHERSI会員企業から高等専門学校向けに講師を派遣し、授業を通して直接学生に最新の技術動向やロボット適用事例等を伝えるといった活動を行うことを予定している。これらの活動結果については、来年度以降の高等専門学校のロボット関連カリキュラムや教材に反映すること等を通じて、全国の高等専門学校への水平展開を目指す。
全国工業高等学校長協会と(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構についても、高等専門学校の活動を参考にしつつ、産業界との連携を進めていく。具体的には、工業高校においては、2021年度に夏期講習として教員を対象としたロボットに係る研修を実施すべく、今年度検討を進めていくことを予定している。また、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、ロボット分野におけるセミナーコースの開発や講演会の開催に向けて具体化を進めていくことを予定している。
CHERSI設立については、内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が合同で取りまとめられた「ロボットによる社会変革推進計画」(2019年7月)の中で、将来のロボット人材の育成に向けて、産学が連携した人材育成枠組の構築の必要性が打ち出された。これを踏まえ、経済産業省の音頭のもと産業界と教育機関が結集して、産学が連携した人材育成の体制構築について検討を重ねてきた。
その結果、2019年12月に、高等専門学校や工業高校の教育機関における産業界に対するニーズと、ロボットメーカー/ロボットシステムインテグレータ等が有するシーズとのマッチングを通じた人材育成を担う「未来ロボティクスエンジニア育成協議会(英語名:The Consortium of Human Education for Future Robot System Integration、略称:CHERSI(チェルシー))」の設立に係る覚書を締結する運びとなり、設立に向けた準備を進めてきた。
なお、6月24日付けで「ロボット革命イニシアティブ協議会」を「ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会」へ変更した。
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